2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工毛細血管システム等を用いたヒト卵巣組織の凍結保存・再移植法の発展と確立
Project/Area Number |
22591833
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
高井 泰 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60323549)
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Keywords | 性同-性障害 / 卵巣 / 凍結保存法 / アポトーシス / 血管新生 |
Research Abstract |
脱シアリル化エリスロポエチン(asialo EPO)は血管新生因子として知られており、凍結したイヌ卵巣組織を用いた異種移植系で残存卵胞率を改善することが報告されている(J Assist Reprod Genet,2008)。 ヒト卵巣組織を20歳代の性同一性障害患者から書面による同意を得て採取した。ヒトでの再移植手術を想定し、卵巣組織片を大きくし、最終的には10mm四方・厚さ1mmとして、Cryotissue法で凍結した。凍結後に融解した卵巣組織を1-2mm角の細片に分割し、上記報告と同様にasialo EPO(400U/kg)を染みこませたゼラチンスポンジとともにSCIDマウスの腎被膜下に移植し、2週間後あるいは2ヶ月後に摘出して残存卵胞数を計算した。 卵巣採取時(n=3)と融解直後(n=3)の卵胞数はそれぞれ203±117個と166±28個であり、有意な低下は認めなかった。しかしながら、移植後2週間後ではasialo EPO群(n=4)と対照群(n=4)の残存卵胞数はそれぞれ7±9個、23±17個と著明な低下を認め、移植後2ヶ月ではぞれぞれ7±11個、9±17個と両群間に有意差を認めなかった。 今回の検討では、Cryotissue法による凍結・融解後の卵胞数の減少は認めなかったものの、移植後の卵胞残存率が低く、脱シアリル化エリスロポエチンの有用性を検討することが困難だつくた。生着率や卵胞残存率を高めるために移植部位や移植法などの更なる改良を加える必要があそと考えられる。
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Research Products
(5 results)