2010 Fiscal Year Annual Research Report
味覚障害患者の舌にみられる味覚受容体遺伝子発現の変化とその臨床的意義の解明
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22591922
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
池田 稔 日本大学, 医学部, 教授 (30130420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 恭一 日本大学, 医学部, 助手 (90187922)
小野田 恵子 日本大学, 医学部, 兼任講師 (00349995)
浅野 友規美 日本大学, 医学部, 助手 (60535178)
田中 真琴 日本大学, 医学部, 助手 (00526121)
関根 大喜 日本大学, 医学部, 助手 (10398860)
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Keywords | 味覚 / 味覚障害 / T2R / 味覚受容体 / 舌 |
Research Abstract |
本研究に関連して、これまでにわれわれが得ている興味深い結果を下に示す。今後、症例を増やし、またPCR産物の定量的測定などの面を加えて、さらなる研究の進展をはかる。 1.健常者の舌から採取した検体を用いて、10個のT2R味覚受容体遺伝子の発現を検討した。健常者において10遺伝子のうち6良好な発現を認めた,一方残りの4遺伝子の発現は比較的低率であった。 2.同様の味覚受容体遺伝子の発現を味覚低下の症例、特に苦味の低下が見られていたと症例の舌の検体を用いて検討した。常者で良好に発現していた6種類の受容体遺伝子発現は味覚低下例では有意に低下していた。健常者で発現の比較的不良であった4遺伝子の発現ま有意の変化を示さなかった。下は味覚低下の発症機序にお重要な関連性をもつものと思われた。 3.味覚障害の原因と味覚受容体遺伝子発現との関連性は、明確な対応は見られなかったが、亜鉛欠乏性の症例ては、発現の低下した遺伝子の種類が5種類と、多く認められた。味覚障害の原因・病態診断に関する有効性については、さらに検討する必要がある。 4.味覚低下の程度が高度の症例では、軽度の症例はに比べてより多数の遺伝子の発現が有意に低下していた。味覚障害の重症度評価こも本遺伝子発現の検査は有用性があるものと思われる。 5.自発性異常味覚の症例では健常者では発現が低率であった3つの遺伝子の発現が、有意に亢進していた。通常は発現の乏しい遺伝子の発現亢進が、自発性異常味覚め発症機序に何らかの関与を示しているものと思われる。
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Research Products
(5 results)