2012 Fiscal Year Annual Research Report
小児網膜剥離の疾患概念の構築:Coats病の病因解明
Project/Area Number |
22591956
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
近藤 寛之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40268991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田平 知子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (50155230)
内尾 英一 福岡大学, 医学部, 教授 (70232840)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 遺伝子 / 網膜 / Coats病 / 家族性滲出性硝子体網膜症 / 未熟児網膜症 / WNTシグナル |
Research Abstract |
小児に網膜剥離をおこす代表的疾患であるCoats病について、網膜剥離の発症機序に関する検討を継続した。Coats病は小児に特有の非遺伝性の疾患で、特異な滲出性の網膜剥離が特徴である。眼底所見が家族性滲出性硝子体網膜症と類似し、男児に多いことから、X染色体性家族性滲出性硝子体網膜症の原因遺伝子NDPの関与が想定されているが定説となるにはいたっていない。 Coats病の手術症例4例に対して硝子体液または網膜下液中の細胞を採取し、微量のDNAを抽出した。nested PCR法によりNDP遺伝子のアミノ酸をコードする遺伝子配列を確実に増幅し、直接シークエンスを行ったが、変異は見られなかった。同様の手法を用い、NDP遺伝子の5’および3’の非コード領域(非コードエクソン1および3’untranslated region)の直接シークエンスを行ったが、レファレンス配列と異なる配列は確認されなかった。 Coats病の発症原因として、NDP遺伝子の体細胞突然変異を示す報告があるが、今回の研究ではこれを確認できなかった。この理由として、(1)Coats病の発症原因として異なる機序が関与する、(2)理論的には5%以上の変異DNAが含まれていれば直接シークエンスで検出できるが、採取された細胞は変異細胞の含有がそれより低いことが考えられた。 また、小児網膜剥離の代表な非遺伝性疾患である未熟児網膜症症例について家族性滲出性硝子体網膜症遺伝子(FZD4, LRP5, TSPAN12, NDP)の関与を検討した。重症未熟児網膜症症例53例を対象として日本人でのこれらの遺伝子異常の頻度を検討した(Kondo et al. Mol Vis 2013)。この結果、13%の症例にFZD4またはLRP5遺伝子の関与を認めた。非遺伝性の網膜疾患でもこれらの遺伝子が関与していることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|