2010 Fiscal Year Annual Research Report
網膜血管変化に基づく網膜疾患発症予測システムの構築
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22591960
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Research Institution | Osaka Medical Center for Health Science and Promotion |
Principal Investigator |
川崎 良 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 特別研究員 (70301067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 明彦 (財)大阪府保健医療財団大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長 (80450922)
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Keywords | 視力障害 / 網膜血管 / 発症予測 / 疫学研究 / スクリーニング |
Research Abstract |
本研究は失明あるいは重篤な視力障害を引き起こす網膜血管性疾患の発症予測を目指し、発症の兆候となる網膜血管の微細な変化を定量的に評価し、その有用性を検討することを目的とする。究極的には本研究の結果を基にスクリーニング法の開発をすすめ、新しい網膜血管性疾患の発症予測モデルを構築し、国民の健康増進、医療費抑制に貢献することを目指している。 網膜血管性疾患は発症まで自覚症状がないため、通常の臨床症例では「発症以前の網膜血管変化」を調査することが難しい。そこで本研究では大阪府立健康科学センターの循環器系ドックのデータベースから網膜血管性疾患を発症した症例を同定して本研究に用いる点が本研究の特徴である。平成22年度は循環器系ドックデータベース(1995-2009年分)から網膜血管性疾患発症者79症例を選定した。この症例について発症および発症から過去にさかのぼった時期の眼底写真(812枚)を選定してデジタル化し画像解析を開始した。解析は来年にかけて完了する予定であり、(1)病変の確定診断、(2)網膜血管径測定、(3)血管分岐パターン分析を予定している。解析終了は平成23年第3四半期を予定している。 特に、コンピューターソフトウェアを用いた定量的な血管径測定はこれまで高血圧や動脈硬化の判定に使われていたが眼疾患への応用はほとんど例がなく、本研究おいて過去にフィルムに撮影した眼底写真であっても高解像度でデジタル化することで詳細な解析に使用できることを予備実験において確認した。解析の終了を待って引き続き網膜血管性疾患の予測に関わる指標を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(5 results)