2011 Fiscal Year Annual Research Report
網膜血管変化に基づく網膜疾患発症予測システムの構築
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22591960
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Research Institution | Osaka Medical Center for Health Science and Promotion |
Principal Investigator |
川崎 良 財団法人大阪府保健医療財団 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 特別研究員 (70301067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 明彦 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長 (80450922)
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Keywords | 視覚障害 / 網膜血管 / 発症予測 / 疫学研究 |
Research Abstract |
本研究は、失明あるいは重篤な視力障害を引き起こす網膜血管性疾患の発症予測を目指し、発症の兆候となる網膜血管の微細な変化を定量的に評価し、その有用性を検討することを目的とし、究極的には本研究の結果を基にスクリーニング法の開発をすすめ、新しい網膜血管性疾患の発症予測モデルを構築し、国民の健康増進、医療費抑制に貢献することを目指している。本年度は大阪府立健康科学センター循環器系ドックのデータベースから網膜血管性疾患を発症した症例を同定、網膜静脈閉塞症の発症眼に対してその反対側の眼を対象とした症例対照研究を行った。まず、デジタル化した眼底画像を解析し、病変の確定診断、網膜血管径測定、血管分岐パターンのフラクタル分析、さらに、疾患に特異的に関連する可能性がある特徴的な血管交叉様式を抽出した。その結果として、網膜出血、小交叉角、また、網膜動静脈比の左右差の3つの特徴が将来の網膜静脈閉塞症の危険と強く関連していることが示された。この結果は2012年4月の日本眼科学会年次総会、同5月の米国視覚眼科研究アカデミー年次総会で発表し、論文として投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要な症例の同定、それら症例からの眼底写真の収集、眼底写真の解析においては予定通り進行している。中間解析を行ったところ、特に網膜静脈閉塞症に関わる特徴的な所見を同定することが可能であり、24年度に学術学会報告、論文作成を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も昨年度までと同様に眼底写真判定をすすめ、年度前半での判定作業完了を目指す。その後、統計解析に入り、24年度中に学術論文としての公表を目指す。
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Research Products
(5 results)