2012 Fiscal Year Annual Research Report
網膜血管変化に基づく網膜疾患発症予測システムの構築
Project/Area Number |
22591960
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Research Institution | 財団法人大阪府保健医療財団 大阪がん循環器病予防センター |
Principal Investigator |
川崎 良 財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防, その他部局等, その他 (70301067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 明彦 財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防, その他部局等, その他 (80450922)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 失明予防 / 網膜血管 / 網膜静脈閉塞症 / 眼検診 / スクリーニング |
Research Abstract |
我が国の失明原因である眼疾患の中でも糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症等の網膜血管性疾患の発症予測は今なお困難である。全身因子や生活習慣などの危険因子を明らかにする研究は盛んだがそれらの危険因子に基づく発症予測は十分とは言えない。そこで本研究ではより直接的に網膜血管性疾患の発症予測を可能とするための眼所見を探索することを目的とした。 本研究に必要な疫学資料は疾患が発症してから受診するという通常の病院情報では得ることが出来ないが、定期的に健診を行っている大阪がん循環器予防センター(旧・大阪府立健康科学センター)のデータベースを用いることで可能となった。連続した検診受診時の眼底写真を疾患発症からさかのぼって解析した点は国内外でも例がない。疾患発症前の眼底写真から発症の兆候となる網膜血管の定量的指標を抽出し、将来の眼疾患の発症と合わせて解析した。 本研究では特に網膜静脈閉塞症の発症に関して大きな発見があった。網膜静脈閉塞症は高血圧や動脈硬化などの全身の危険因子は知られているがその発症は通常片側性である。個体内で左右どちらの眼に網膜静脈閉塞を発症するかに関しての危険因子はほとんど知られていなかった。本研究により、軽度の網膜症と、血管交差角の狭小、網膜動静脈径比の左右差が将来の網膜静脈閉塞の危険と関連していることが明らかとなった。特に、定量的な指標として網膜動静脈径比が0.05以上であることが眼特異的な網膜静脈閉塞の危険を示している可能性が示された。 今回の結果は我が国に多い網膜静脈閉塞症の発症予測につながる新しいスクリーニングプログラムに応用が可能である。このような新しい眼底スクリーニング法が確立されれば、失明・重篤な視力障害を予防し、国民の健康増進に寄与することが期待できるのみならず、医療費を始め社会的損失・経済的負担の軽減につながる可能性もある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)