2011 Fiscal Year Annual Research Report
ベックウィズウィードマン症候群および腎芽腫の刷り込み現象:その化学調節研究
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22591986
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
藤原 恭子 日本大学, 医学部, 助教 (40595708)
大橋 研介 日本大学, 医学部, 助手 (10526065)
古屋 武史 日本大学, 医学部, 専修医 (20568539)
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Keywords | ベックウィズウィードマン症候群 / 小児固形腫瘍 / 小児外科 / インプリンティング遺伝子 / PIポリアミド |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続きベックウィズヴィードマン症候群(BWS)に対するPIポリアミドのLIT1/KIP2ドメインへの効果の検討を行った。 1.ヒトKCNQ10T1(LIT1)プロモーター領域に存在するCCAAT配列へのPIポリアミド化合物の効果の検討 昨年度にPIポリアミド2種類を既に設計・合成している。脱メチル化状態であることを確認したヒトBWS線維芽細胞株2種類に対して、合成したPIポリアミド2種類をそれぞれ1μMずつ投与した。24、48、72時間培養後に細胞を回収し、抽出したRNAをcDNAに逆転写してからLIT1遺伝子の発現量を測定したところ、48、72時間後でLITI遺伝子の発現抑制(p<0.05)が確認された。同様に、LIT1遺伝子に発現抑制をされる腫瘍抑制遺伝子KIP2遺伝子の発現量を測定したところ、72時間後で発現上昇(p<0.05)が確認された。 2.PIポリアミド化合物の細胞核内移行性の確認 PIポリアミド化合物2種類のDp末端をFITCでラベリングしたものを合成し、それを2種類の細胞株に投与した。24時間後にホルムアルデヒドで固定し、同時に核染色を行い、スライドを作成した。蛍光顕微鏡にて核に一致する部位にFITC発光を認め、核内にPIポリアミド化合物が移行していることを確認した。 引き続きgel shift assayおよびビアコアによるPIポリアミド化合物の標的配列への結合能の確認、腎芽腫細胞株などに対する抗腫瘍効果の検討、インプリンティング異常に対するPIポリアミドのDNAマイクロアレイによる網羅的発現解析を行っていく予定である。 研究協力者として吉澤、星(大学院生)が研究に参画する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はウエスタンブロット法にてKIP2蛋白の発現量を確認するとともに、LIT1遺伝子により発現抑制されている他の隣接遺伝子(IPL遺伝子、TSSC5遺伝子)の発現量をreal time RT-PCRで確認する。 その後、腎芽腫細胞株や、LIT1/KIP2ドメインのloss of imprintingが報告されている大腸癌細胞株などに対するPIポリアミドの効果を検討していく。さらにcell countingやWST-8法を用いて抗腫瘍効果を評価する。 現在のPIポリアミドを数塩基延長して設計し、同領域に対する特異度を上げるように設計・合成し、至適条件を検討する。
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Research Products
(1 results)