2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591997
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中西 秀樹 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90164235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (70314870)
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Keywords | 創傷治癒 / 高脂血症 / 糖尿病 |
Research Abstract |
皮弁生着や外傷性の皮膚潰瘍では皮膚のviabilityを決定するうえで皮膚微小循環は重要である。この皮膚微小循環に影響する要因として、感染、血腫、過圧迫、non-reflow現象、皮弁のterdtoryなどが知られている。ほかにもさまざまな全身的な要因があるが、特に糖尿病においては動脈硬化症、末梢神経障害、易感染性に加えて、皮膚微小循環の障害が高頻度で存在し、皮弁手術の障害となる場合や、糖尿病性の難治性潰瘍ではその治療に難渋する場合が見られる。日本では近年における食生活や生活様式の変化に伴い、糖尿病や高脂血症が増加する傾向にあり、またメタボリック症候群としても注目を集めている。糖尿病の皮膚微小循環障害では血管内皮細胞の障害や機能不全が問題となる。また血管内皮細胞の障害の機序としては、NADPH Oxidaseを介した活性酸素の役割が次第と明らかになってきている。 食事を高コレステロールにすることで作成する食事性高脂血症家兎と、生下時から高コレステロール血症が発症している本態性の遺伝性高脂血症家兎の両者について、血中コレステロール値の測定や耳介血管における粥状変化について組織学的な解析を行った。血管壁の障害を観察するために膠原繊維、弾性線維、脂肪を染色する。これらの染色を組み合わせることにより血管内膜、中膜、平滑筋細胞などの変性や障害が皮膚微小循環のどの部分にまで及んでいるかを検討したが、個体によるバラツキがあり、明確な結論が得られなかったため引き続き実験を行うこととなった。
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