2012 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺損傷の治療法確立に向けた肺内水分動態と網羅的気道上皮代謝物解析に関する研究
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22592023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久志本 成樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50195434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 聡 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00307638)
遠藤 智之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00400317)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性肺水腫 / 肺血管外水分量 / 肺血管透過性 / 急性肺損傷 |
Research Abstract |
急性肺損傷・呼吸窮迫症候群(ALI/ARDS)の臨床診断は1994年のConsensus Conferenceによる定義によりなされてきた。最近、新たな基準としてのBerlin definitionも発表されたが、これらの基準は病態生理学的特徴である“肺血管透過性亢進による肺水腫”とは異なる病態を含む可能性がある。しかし、これまで客観的診断法として科学的に妥当性をもって明確にされたものはない。本研究では、肺血管外水分量と肺血管透過性係数により、ARDSの定量的診断基準を作成することと、臨床病態メカニズムを解明することを目的とした。 48時間以上の人工呼吸管理が必要と判断されるP/F ratio<300の症例を対象とした動脈圧波形解析による連続心拍出量測定装置による肺血管外水分量と肺血管透過性の評価を行う多施設共同研究を実施し、以下の知見を報告した:1)ALI/ARDSおよび心原性肺水腫では胸水/無気肺症例より肺血管外水分量の増加が大きく、胸水/無気肺では肺水腫(肺血管外水分量>10mL/kg)を呈さない、2)肺血管透過性係数はALI/ARDSで有意に上昇する、3)ALI/ARDSにおける肺血管外水分量は肺血管透過性とともに胸腔内血液量により規定される、4)ALI/ARDS診断における肺血管透過性係数は2.65-2.80が特異度維持のために妥当である。また、新たに発表されたBerlin definitionによるARDS重症度カテゴリーは、肺血管透過性亢進と肺血管外水分量増加を反映する分類であることも明らかにした。さらに、気道上皮被覆液を用いたNMRメタボロミクスによる代謝産物の網羅的解析とともに、近年注目されている、mtDNA、HMGB-1などのalarminsの解析を行っており、ARDSの病態を反映した定量的診断基準の作成とメカニズムの解明へ、新たな展開を示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)