2010 Fiscal Year Annual Research Report
著明な骨形成促進作用を持つ新規ビスホスホネートの歯周疾患治療医学への応用
Project/Area Number |
22592059
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院 (80014025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 薫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70202851)
村上 忍 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (40436093)
千葉 美麗 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10236820)
鈴木 恵子 昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)
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Keywords | ビスホスホネート / 歯周病 / 骨形成 / 骨吸収 / NF-kB |
Research Abstract |
1)[4-(methylthio)phenylthio]methanebisphosphonate(MPMBP)の骨形成促進作用を解明するため、マウス骨器官培養系および骨芽細胞様細胞の培養系を用いた実験を行い、この薬物が、コラーゲン合成、アルカリフォスファターゼ、オステオカルシン、骨シアロプロテインなどの骨形成関連遺伝子の発現を促進することを明らかにした。また、MPMBPの骨形成促進作用のメカニズムには、NF-kBの転写活性の抑制とFra-1の活性化が関与している可能性が示された。 2)歯槽骨を含むラットやウサギの上顎骨にMPMBPを局所投与(ラット:3日おきに6回、18日間;ウサギ:4日おきに6回、24日間)した結果、この薬物が投与部位を中心に著明な骨形成を誘起することが、μCTによる解析や組織学的な検索により確認された。 3)MPMBPは、他のビスホスホネート(BPs)には見られない抗酸化作用を持ち、プロスタグランジンE_2、IL-1、NO等の産生を抑制し、抗炎症作用を有することが見出された。 一般にBPsは共通の性質として骨吸収を抑制する作用を持つことが知られているが、この研究で対象としているMPMBPは滑吸収抑制作用に加えて、他のBPsには見られない強力な骨形成促進作用を持ち、さらに抗炎症作用をも併せ持つことが確認された。このような性質を持つ薬物は従来報告されておらず、MPMBPは、歯周疾患や骨粗鬆症骨など骨の鉄を伴う様々な疾患、インプラント治療など、様々な病態に応用できる可能性が高いと考えられる。
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