2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを用いた口腔悪性腫瘍の治療への検討
Project/Area Number |
22592104
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
三好 代志子 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (70288075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 展久 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20234495)
鈴木 健司 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80350536)
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Keywords | 光触媒酸化チタン / ナノテクノロジー / 口腔悪性腫瘍 / 癌治療 / 光照射 |
Research Abstract |
TiO_2は防汚、脱臭・消臭、殺菌の応用により、医学材料や医療機材における殺菌や抗菌効果として院内感染防止の床や壁や手術室の空気清浄へ用いられた。大腸菌、緑膿菌、MRSA等に対して光照射後の殺菌率99.9%という効果が得られている。これらにより、癌治療や癌予防への応用等、医学、医療に関連する周辺領域での効果の可能性や実現性への検討が始まってきている。歯科領域では変色歯の漂白、義歯の抗菌、合着セメントなどへの応用が試みられている。本研究では、TiO_2を用いて口腔悪性腫瘍などの治療への応用の可能性を考え、TiO_2と抗癌剤等の薬剤が組織への感受性を調整するモデル的効果が期待できることと、病変部にTiO_2、と抗癌剤等の薬剤の特性が効果的に利用すれば新しい治療展開が開けることが明らかになって、癌治療の局所化も期待できる。これをもとに歯科領域悪性腫瘍に応用するに際して検討を進めている。 1)ヒト口腔扁平上皮癌細胞を培養し後、TiO_2投与し光照射後、トリパンブルー染色・コロニー形成法およびMTT法を用いて細胞の生死判定を検索した。光照射時間を変え、殺細胞効果について比較検討した。 2)光触媒反応による酸化ストレスの刺激を受けた細胞の形態変化を位相差顕微鏡により観察し、細胞を蛍光免疫染色したものも蛍光顕微鏡で観察した。 今後、TiO_2の光触媒反応により、活性酸素分子種(・O_2-)、(H2O_2・)を生成する。光触媒の抗腫瘍効果は、これらの活性酸素分子種の癌細胞に与えた刺激、フリーラジカルによるいわゆる環境ストレスによるものと予想される。適度な酸化ストレスはアポトーシスを誘導するか。過度の酸化ストレスはネクローシスを誘導するかを検索し、それらのアポトーシス関連遺伝子(MAPK、ASK1、JNK、p38、Bc1-2、TRAF2)との関連も検討する。TiO_2反応により(・O_2-)(H2O_2・)と(・OH)の生成は、TiO_2使用量と光照射時間とともに進行している。そこで口腔領域癌細胞に対しTiO_2と抗腫瘍効果のメカニズムを解明する。
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