2010 Fiscal Year Annual Research Report
局所作用型ホルモンCNPによる新しい顎堤吸収抑制法の基礎的検討
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22592139
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡山 啓昌 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (30436092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 忠明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50431606)
清水 良央 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30302152)
金高 弘恭 東北大学, 大学院・医工学研究科, 准教授 (50292222)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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Keywords | ホルモン / 骨形成 / 動物実験 |
Research Abstract |
本年度は、CNPの骨形成に対する効果を検討するために、動物実験を行った。動物実験は、ラット頭蓋骨を用いた骨欠損モデルで、他の材料での基本的な骨形成に関するデータを所有している。過去のデータから最も差を生じることが期待される1,2,4週までの短期的な実験を行った。ラット頭蓋骨に直径8.8mmの硬膜に至る欠損を作製した。欠損部に直径約500ミクロン程度の球状多孔性ハイドロキシアパタイトを用いて、生理食塩水を吸着させたものとCNPを吸着させたものを用意し、同重量を移植した。結果、アパタイトは4週まで形態学的に分解はあまり進んでいなかった。顆粒内部には好酸性物質がみられ、多孔質材料内の生食およびCNPに組織液、血液成分が含まれていると思われた。アパタイト周囲には、生理食塩水、CNP吸着群ともに4週までに軽度の慢性炎症性細胞浸潤を伴う線維性結合組織がみられた。ヘマトキシリンエオジン染色では、おもに単核のマクロファージ様の細胞が顆粒を取り囲んでいた。TRAP染色にて顆粒を取り囲んでいる多核および単核にみえる細胞に陽性反応がみられた。CNPが生食群より発色領域が広いと思われた。組織学的に4週では、顆粒周囲に明らかな骨新生はみられず、欠損部辺縁からの骨伝導による形成が軽度に確認された。以上の結果からCNPは、少なくとも破骨細胞の誘導を促進したことから骨置換を促進し、最終的に骨形成につながる可能性もあると思われた。
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