2011 Fiscal Year Annual Research Report
局所作用型ホルモンCNPによる新しい顎堤吸収抑制法の基礎的検討
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22592139
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡山 啓昌 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (30436092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 忠明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50431606)
清水 良央 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30302152)
金高 弘恭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50292222)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
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Keywords | 歯学 / 骨 / ホルモン |
Research Abstract |
平成23年度は、CNPの生体内での骨形成効果に関する実験を行うために動物を使用し検討を行った。CNPは液体であることから生体内に入れても拡散が早く、液体として埋植してその効果を評価することは困難であるため、担体として多孔性のハイドロキシアパタイト顆粒内に吸引により取り込ませて、ラット頭蓋に形成した直径8mmの骨欠損部にCMP含有顆粒として移植した。対照群としてはCNPを含まない顆粒を移植した。CNPの骨形成評価として、まずは骨芽細胞への分化促進効果を評価することを目的とするため、2週間の短期実験を行いCNPの骨芽細胞分化による効果についての検討を行った。結果として、マイクロCT像で、欠損部に新生骨の形成は認められたが、骨形成は欠損片縁部に限局しており、顆粒周囲には明らかな骨形成を認めず、CNPを含まない群との有意な差はみられなかった。組織学的には、軽度の炎症性細胞浸潤を伴う肉芽-線維性結合組織によりハイドロキシアパタイト顆粒の周囲は埋められた。またハイドロキシアパタイト顆粒の周囲には、多核細胞が多数認められ、1週に比べ2週で増加しているように思われた。これらはTRAP染色陽性を示し、破骨細胞様細胞であると思われた。CNP含有ハイドロキシアパタイトの方がやや多く多核細胞が出現していると思われた。このことはCNPが直接的な骨芽細胞分化を誘導するというより破骨細胞の誘導を介して行われる可能性があることを示唆していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災の影響で実験室の正常化が遅れ、動物実験の追加実験とvitro系の実験が進められなかった。計画の一部は標本作製し、いくつかの染色をこころみて肉眼的、組織学的に観察を行ったが、前述の理由から結果として評価系として重要な統計処理にまでできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本実験では、CNPがどのように拡散していくかという評価ができていない。非常に速やかに拡散している可能性もあり、CNPの効果なのかどうかを判別することができない。徐放効果について評価するため、組織標本を用いたCNPの免疫染色による拡散状態の確認、またゼラチンなどでコーティングしてゼラチンの溶解による拡散制御についても検討したい。
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