2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22592153
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
重本 修伺 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20294704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 一夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70304540)
薩摩 登誉子 徳島大学, 病院, 助教 (80335801)
石川 輝明 徳島大学, 病院, 医員 (00432758)
山本 修史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60548634)
野口 直人 徳島大学, 病院, 医員 (80564286)
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Keywords | 睡眠中の下顎の動態 / 睡眠時ブラキシズム |
Research Abstract |
睡眠中の顎運動データの蓄積を行い以下の結果を得た。成人男性3名を被験者とし睡眠時ブラキシズム発現時の顎運動をクレンチング(咬頭嵌合位付近でのクレンチング、偏心位でのクレンチング)、グラインディング、タッピングの単独型とこれらが混在する複合型に分類したところ複合型の発現率は60.1%であった。クレンチングの咬頭嵌合位(ICP)から離れた35.8%は偏心位で発現していた。従来の筋活動による分類と顎運動による分類の一致率は21.5%と低く睡眠時ブラキシズムの研究において、筋電図などの生体信号だけでなく顎運動の解析が必要であることが示された。また睡眠中の顎運動の特徴として被験者5名の解析結果から睡眠中の嚥下は浅い睡眠段階で多く認められ,その時の顎位の最上方位はICPから0.18±0.16mm(後方に0.07±0.09mm,側方に0.12±0.12mm,下方に0.04±0.04mm)とICP近接していること、被験者12名の解析結果からヒトは睡眠中の安静状態において全身の筋肉同様に咬筋活動レベルも極端に低く、下顎は後下方に位置して開口状態にあるごとてを明らかにした。また,被験者8名の睡眠時ブラキシズム中の顎運動の閉口-開口サイクルを解析した結果、最大咬筋活動が咬頭嵌合位付近より閉口前期や開口後期で生じやすいこと、5%MVC以上の咬筋活動が閉口時だけでなく、開口時にも認められることを明らかにした。開閉口時にEdge to Edgeを乗り越える運動様式があり、この顎運動様式が多い被験者では犬歯の著しい咬耗が認められた。このように睡眠中の顎運動を解析対象とすることで筋活動などの生体信号からだけでは明らかにすることができなかった現象を明らかにすることが可能となりこれまで提供されることがなかった睡眠中の下顎の動態に対する基礎的なデータを提供できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
睡眠中の顎運動データの蓄積に関しては当初計画していた12名の新規測定に対して5名と目標に達していないが、これまでに蓄積した睡眠中の顎運動データを解析することで筋電図等の生体信号だけでは観察することができなかった睡眠中の下顎の動態について明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
睡眠中の顎運動データの蓄積を継続し、睡眠中の下顎の動態を明らかにする。特に覚醒時の下顎の機能運動時(咀嚼など)の顎運動との比較を行うことで睡眠中の下顎の動態を特徴について詳細に検討する。
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Research Products
(10 results)