2010 Fiscal Year Annual Research Report
血液及び唾液中の新規ストレスマーカーとしてのガレクチン-1の役割と作用機序の解明
Project/Area Number |
22592158
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
門屋 利彦 前橋工科大学, 工学部・生物工学科, 教授 (40551875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 健一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (10235286)
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Keywords | ストレス / ガレクチン-1 / プロテオーム |
Research Abstract |
拘束ストレス負荷ラットモデルを用いた最近の研究によって、ストレス負荷により血中ガレクチン-1濃度が上昇することが初めて報告された。本研究では、初年度である本年度は、ストレス負荷によるガレクチン-1の発現とその作用について調べるため、プロテオーム解析諸技術の立ち上げに着手した。先ず、二次元電気泳動法、リン酸化タンパク質の精製濃縮法、ウエスタン分析によるガレクチン-1の検出法を確立し、それらの方法を用いて、培養細胞や臓器中のタンパク質の変動やガレクチン-1含量の変化について調べた。二次元電気泳動を用いたタンパク質の発現分析法、キレートカラムを用いたリン酸化タンパク質の微量精製方法を立ち上げ、培養細胞を用いて、細胞内のタンパク質の変動を調べることができることを確認した。また、ストレス負荷後のガレクチン-1の各種臓器における発現評価を実施するため、先ず、抗ガレクチン-1抗体(モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体)を用いたウエスタン分析について検討した。モノクローナル抗体4種(マウスとラット)とポリクローナル抗体(ウサギ)1種を用いて検討した結果、モノクローナル抗体ではガレクチン-1タンパク質の検出ができなかった。一方、ポリクローナル抗体を用いた場合には、化学発光法による検出で、0.1ng以下のガレクチン-1量でも明確なバンドとして検出可能であった。この方法を用いて、拘束ストレスモデルラットの3種臓器中のガレクチン-1含量の変化について調べた。拘束ストレス負荷有無のラットから、肝臓、胸腺、脾臓を採取し、組織破砕後、その上清を回収してウエスタン分析を行った。今後、その他の臓器も含めて、個体数を増やして臓器中の含量変化について検討を行い、ストレス負荷時の各臓器におけるガレクチン-1含量の増減の詳細について確認する予定である。 尚、神戸で行われた日本神経科学会での発表では、注目研究としてメディカルトリビューン誌に取り上げられた。
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