2011 Fiscal Year Annual Research Report
血液及び唾液中の新規ストレスマーカーとしてのガレクチン-1の役割と作用機序の解明
Project/Area Number |
22592158
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
門屋 利彦 前橋工科大学, 工学部, 教授 (40551875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 健一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (10235286)
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Keywords | ストレス / ガレクチン-1 / プロテオーム |
Research Abstract |
ストレス負荷後の各種臓器中のガレクチン-1含量の変動を調べるため、ウエスタンブロッティング法による分析を行った。四肢拘束ストレス負荷ラットモデルを用いて、ストレス負荷後30分後、60分後に12種類の臓器(脾臓、胸腺、肝臓、小腸、大腸、副腎など)を採取した。臓器をラクトースとプロテアーゼインヒビター群を含むPBS中でホモゲナイズ後遠心し、回収した上清について、ウエスタンブロッティング分析を行った。尚、採取試料例数は、コントロール(拘束ストレスを与えない)、ストレス負荷後30分後および60分後について、それぞれn=3である。現在までに、脾臓、胸腺、副腎、小腸、大腸の5種類の臓器について、分析を実施した。結果、副腎、小腸および大腸では、コントロールとストレス負荷では、ガレクチン-1含量に変化は認められなかった。一方、脾臓と胸腺では、コントロールと比較し、ストレス負荷後にガレクチン-1の増加が認められた。このことは、ストレス後に血中で増加するガレクチン-1が免疫系に作用し、ストレスへ何らかの影響を与えていることを示唆しており、今後の本研究並びに臨床応用への展開につながる非常に重要な知見であると考えられる。 脾臓と胸腺でのガレクチン-1の標的細胞の同定は今後の課題であるが、両者に共通する細胞のひとつであるマクロファージについて、ガレクチン-1の作用について、培養腹腔マクロファージを用いたプロテオーム解析を開始した。変動のあるタンパク質スポットの詳細な解析を実施しているところである。 ガレクチン-1の定量的解析法として、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体の調製と評価を実施した。ポリクローナル抗体を用いたELISAの検討を行った結果、数ng/ml~100ng/mlで定量できる方法を構築することができた。今後は、ウエスタン分析とELISA法を用いて、ストレス負荷後の各種臓器中のガレクチン-1含量の変動について定量的解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では23年度に、ストレス負荷時に血中で増加するガレクチン-1の標的細胞を特定する予定であったが、細胞の特定までは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
拘束ストレス負荷後の各種臓器中のガレクチン-1含量の変動について、ウエスタン分析およびELISAにより解析する。タンパク質レベルで変動のありた臓器については、PCR法によって、遺伝子レベルでの変動についても解析を行う。また、ガレクチン-1の増減のみられる臓器について、免疫組織化学的解析を行い、ガレクチン-1の標的候補細胞、組織を特定し、更に標的候補細胞へのガレクチン-1の作用についてプロテオーム解析技術を用いて解析を試みる予定である。
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