2012 Fiscal Year Annual Research Report
血液及び唾液中の新規ストレスマーカーとしてのガレクチン-1の役割と作用機序の解明
Project/Area Number |
22592158
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
門屋 利彦 前橋工科大学, 工学部, 教授 (40551875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 健一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (10235286)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ストレス / ガレクチン-1 / プロテオーム |
Research Abstract |
ストレス負荷後の各種臓器中のガレクチン-1含量の変動を調べるため、ウエスタンブロッティング法およびELISA法による分析を行った。四肢拘束ストレス負荷ラットモデルを用いて、ストレス負荷直後、30分後に10種類の臓器(脳、胸腺、心臓、肺、脾臓、副腎、膵臓、腎臓、肝臓、大腿筋)を採取した(n=3)。臓器をラクトースとプロテアーゼインヒビター群を含むPBS中でホモゲナイズ後、遠心分離して得られた上清について、分析を行った。結果、コントロールと比較して、脾臓、副腎、膵臓においてガレクチン-1含量に上昇傾向が見られた。一方、心臓、大腿筋では減少傾向が見られた。副腎については一昨年の検討ではガレクチン-1含量に変化は認められておらず、また、胸腺についても前回の検討ではストレス負荷後にガレクチン-1の増加が認められたが、今回は認められていない。今後、原因を精査し、例数を増やして結論を出す必要がある。 脾臓、膵臓、胸腺について、PCR法でガレクチン-1のmRNAの増減について調べた結果、変化は認められなかった。ストレス負荷後に、遺伝子レベルでの変化がないことから、これらの臓器でのガレクチン-1含量の変化は、血中で増加したガレクチン-によるものと考えられた。 また、脾臓、膵臓、胸腺については、ストレス負荷解放30分後の臓器抽出物について二次元電気泳動分析を行った。その結果、ストレス負荷後に各臓器において、コントロールと比較してタンパク質スポットの増減変動が認められた。 以上の結果から、ストレス負荷後に交感神経系を介して上昇する血中で増加するガレクチン-1は、筋肉組織から放出され、脾臓や膵臓などに蓄積されるものと推測された。ターゲットと考えられる臓器での免疫組織化学分析については、現在実施中である。
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Research Products
(2 results)