2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨補填材として不適とされたα型リン酸三カルシウムの再評価
Project/Area Number |
22592184
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
有働 公一 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60145266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 吉哉 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00168668)
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Keywords | 骨補填材 / α型リン酸三カルシウム |
Research Abstract |
研究の目的 ハイドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、β型リン酸三カルシウム等はリン酸カルシウム系骨補填材として広く使われているが、α型リン酸三カルシウムは反応性が高く、体内での溶解速度が高すぎるために骨補填材として不適であると言われてきた。本研究では、溶解速度は使用粉末の粒径、焼結温度等の試料作成条件を考慮することでコントロールできると考え、リン酸三カルシウムを骨補填材として利用可能にする方法を明らかにする。さらにα型リン酸三カルシウム単体の骨補填材だけでなく、ハイドロキシアパタイトや炭酸アパタイトと共存させた新しい骨補填材の開発も検討する。 実験結果 平成22年度に溶解度の異なるα型リン酸三カルシウムフォームを作成し、平成23年度は平成22年度に作成したフォームを用いて骨芽細胞様細胞を用いて細胞接着、増殖、分化実験を行う予定であった。 しかしながら、人工体液中での試料フォームの溶解度を、主に溶出したカルシウム濃度で測定したところ、本研究で期待していたほどの溶解度の差が得られなかった。そこで、α型リン酸三カルシウムフォームの作成方法をフォームの圧縮強さも考慮した上で再検討した。 再検討したフォームの作成条件 1.ウレタンフォームにリン酸三カルシウム粉末泥を付着させる時の混水比 ウレタンフォームにα型リン酸三カルシウム泥を付着させるときのリン酸カルシウム泥の混水比を変化させると泥状物が乾燥後の粉末の付着形態が変化するため、従来の混水比を(粉末の重量/水の重量)10g/9mLを大きく変化させて資料を焼成した。 2.焼成条件(加熱速度、焼成温度、焼成時間、焼成回数) 従来の焼成条件は400℃までは1℃/min、400℃から焼成温度までは5℃/min、焼成温度で5時間保持であるが、焼成条件を変化させるとリン酸カルシウム粉末間に存在する微小な気孔の大きさが変化する。 以上のことから、α型リン酸三カルシウムフォームの人工体液中での溶解度を制御するためには焼成条件(特に加熱速度と焼成時間)を変化させることが有効であることが明らかになった。平成24年度も引き続きα型リン酸三カルシウムフォームの焼成条件を検討するとともに骨芽細胞用細胞を用いた細胞接着、増殖、分化実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
人工体液中での試料フォームの溶解度を、主に溶出したカルシウム濃度で測定したところ、本研究で期待していたほどの溶解度の差が得られなかった。そこで、α型リン酸三カルシウムフォームの作成方法をフォームの圧縮強さも考慮した上で再検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
α型リン酸三カルシウムフォームの人工体液中での溶解度を制御するためには焼成条件(特に加熱速度と焼成時間)を変化させることが有効であることが明らかになった。平成24年度も引き続きα型リン酸三カルシウムフォームの焼成条件を検討するとともに骨芽細胞用細胞を用いた細胞接着、増殖、分化実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)