2012 Fiscal Year Annual Research Report
PCR発症メカニズムの解明と予防法の開発-ラット下顎骨延長モデルを用いた研究-
Project/Area Number |
22592208
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 正治 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80195792)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 直也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10361908)
小島 拓 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90515777)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | PCR / 発症メカニズム / 下顎骨延長 / ラット実験モデル / マイクロCT |
Research Abstract |
【目的】Progressive condylar resorption (PCR) は、進行性の下顎頭骨吸収に伴う下顎頭の著明な体積減少や下顎枝の短縮を特徴とする病態で、下顎頭部にかかる力学的負荷と負荷に対する骨の許容力が関与していると考えられる。本研究の目的は、ラット下顎骨延長モデルを用いて、顎関節への力学的負荷により生じる下顎頭の形態学的ならびに組織学的変化を明らかにすることである。 【方法】10週齢のWistar系雄性ラット30匹を用い、実験群15匹では麻酔下に右側下顎骨体部で骨切りを行い、同部に骨延長装置を装着した。術後5日目より延長装置を1回0.175 mm 1日2回、10日間かけて3.5 mm延長したのち、延長終了後1日目と1週目、3週目に各5匹ずつ3群にわけ、4%パラホルムアルデヒド溶液で灌流固定し、マイクロCT撮影後に顎関節部を標本とした。脱灰後、パラフィンに包埋し、切片を作製してHE染色、TRAP染色、ALP染色、AZAN染色を行い、骨切りを行わなかった同時期の対照群15匹と比較検討した。 【結果】マイクロCTにおいて延長側の下顎頭には吸収性の形態変化が認められ、特に1週目と3週目の群においては下顎頭前方部において著しい骨吸収像を呈していた。組織学的所見では、下顎頭前方部には多数のTRAP陽性破骨細胞の局在が認められ、骨吸収領域は線維性組織で置換されていた。下顎骨中央部においては、肥大化軟骨層の厚みの増加と軟骨細胞直下の骨梁部の骨芽細胞の強いALP反応が観察され、骨基質の沈着が示唆された。一方、非延長側の下顎頭は対象群とほぼ同じ形態と組織像を呈していた。 【結論】ラット下顎骨延長モデルにける下顎頭前方部骨吸収は力学的負荷によって軟骨および骨組織の代謝障害の結果生じた組織学的破壊であり、力学的負荷が軟骨の適応力と骨の許容力を超えていたと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|