2010 Fiscal Year Annual Research Report
βデフェンシンを指標としたシェーグレン症候群の高感度遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
22592215
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水川 展吉 岡山大学, 病院, 講師 (00263608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00158057)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
高木 慎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40116471)
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Keywords | シェーグレン症候群 / βデフェンシン / RT-PCR / 遺伝子発現 / 迅速診断法 |
Research Abstract |
本研究はシェーグレン症候群の迅速確実な診断法の確立を、RT-PCR法によるβデフェンシンの遺伝子発現量を基準にして行うためのものである。今年度、申請者らはRT-PCR法に用いるプライマーの設計を行った。cDNAライブラリーは、前回申請者らによってβデフェンシンの発現が確認されているヒト扁平上皮がん株HSC4を培養してRNA抽出、cDNA転写した。次に、NCBIのデータベースに基づいて各βデフェンシンの遺伝子配列からPrimer3を用いてプライマーを設計合成した。それぞれのプライマーを用い、上述のcDNAをテンプレートにして遺伝子を合成させ、シーケンサーを用いて合成された遺伝子の配列を分析した。CLUSTAL Wを用いてNCBIのデータベースと100%配列が一致したものを本研究用のプライマーとして採用した。なお、免疫染色ではHBD3はHSC4が発現していなかったため、HBD3のプライマー作成には市販のヒトcDNAライブラリーを用いた。実際口唇腺導管上皮細胞でのHBD3発現を免疫組織化学法で調べた結果、HSC4同様、発現していないということが判明した。以上から本年度に確定した各ヒトβデフェンシンのプライマー配列は次のとおりである。hbd1 : forward ; cgccatgagaacttcctacc , reverse ; cttctggtcactcccagctc、hbd2 : forward ; atcagccatgagggtcttgt, reverse ; gagaccacaggtgccaattt、hbd3:上記の方法で設計したプライマーは全てhbd3遺伝子発現を検出できなかった。hbd4:現在設計したプライマーの検討中である。 一方、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群の症状の進行を早める可能性が指摘されるトルエン曝露によるシックハウス症候群でのヒトβデフェンシンの発現を抗体法で検討した。HBD1はコントロール群、いずれの曝露群も一定の発現量を認め変化がなかった。HBD2では1回曝露群では変化はなかったが、4回曝露群では発現量が減少し、10回曝露群では発現量がさらに減少した。HBD3ではコントロール群も曝露群も発現は認めなかった。HBD4では4回曝露では発現量が増加したが、10回曝露群では発現量が減少した。以上のようにシックハウス症候群においてもβデフェンシンは特徴的な発現を示したことから、RT-PCR法によるヒトβデフェンシンの遺伝子発現解析はシックハウス症候群の診断にも有効であることが判明した。
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Research Products
(1 results)