2011 Fiscal Year Annual Research Report
βデフェンシンを指標としたシェーグレン症候群の高感度遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
22592215
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水川 展吉 岡山大学, 大学病院, 講師 (00263608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00158057)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
高木 慎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40116471)
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Keywords | シェーングレン症候群 / ヒトβデフェンシン / RT-PCR / 遺伝子発現 / 迅速診断法 |
Research Abstract |
本研究はシェーグレン症候群の迅速確実な診断法の確立を、RT-PCR法によるヒトβデフェンシン(hBD)の遺伝子発現量を基準にして行うためのものである。申請者らはRT-PCR法に用いるプライマーの設計を試み、前年度から本年度にかけてhBDおよび内部標準のためのハウスキーピング遺伝子として選択したβアクチンの、最も合成効率の高いプライマー配列を確定した。 ターゲット遺伝子のプライマーのPCR合成産物を段階希釈したスタンダードを作り、検量線を確認して実験に用いた。シェーグレン症候群患者の口唇腺とコントロールとしての正常口唇腺は、摘出後、RNAを抽出しcDNAに逆転写してRT-PCR法に用いる鋳型とした。このテンプレートを用いて、RT-PCRを行い、それぞれの口唇腺に存在するhBDの発現量を解析した。hBD1遺伝子はどの群にも一定の発現量が認められた。hBD2遺伝子はシェーグレン症候群では著しく発現量が減少した。hBD4遺伝子は正常群では発現が認められない傾向にあり、シェーグレン症候群ではhBD4遺伝子発現が上昇群と、発現しない群が共存することが判明した。また、正常群の中でもシェーグレン症候群に近似するhBD4遺伝子発現の特徴をもつ群の存在が判明した。この特徴的な群がシェーグレン症候群の早期診断の鍵となっている可能性があることが示唆された。また、これまで本研究者らはシェーグレン症候群と正常唾液腺中におけるhBDの発現パターンを免疫組織科学的に比較し、シェーグレン症候群においてhBD1、hBD2の発現量が低下していることを明らかにしてきた。しかし、その研究発表後にその存在が発見されたhBD4に関してはシェーグレン症候群における発現変化が明らかにされてなかった。今年度、本研究者らは免疫組織化学的にシェーグレン症候群におけるhBD4タンパクの発現の変化を比較した。結果はhBD4の発現がシェーグレン症候群の病態に関連があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に設計したプライマーをもとに今年度よりシェーグレン症候群と診断された口唇腺のサンプル、対照群であるシェーグレン症候群ではないと診断された口唇腺のサンプルのヒトβデフェンシン(hBD)のうちhBD1、hBD2、hBD4の遺伝子発現をRT-PCR法による定量を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き上記11のRT-PCR法による定量を行う。平成24年度にすべての結果および分析が終了する予定である。
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