2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二宮 嘉昭 広島大学, 病院, 助教 (60335685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 伸之 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70242211)
武知 正晃 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (00304535)
中川 貴之 広島大学, 病院, 助教 (30456230)
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Keywords | 無機材料 / 有機材料 / 複合材料 / 顎骨骨髄炎 / 高機能性薬物徐放担体 |
Research Abstract |
我々は以前よりリン酸カルシウムを主体としたアパタイトセメントに着目し,生体材料としての有効性について組織学的検索ならびに臨床応用への模索を行ってきた.これまでの顎骨骨髄炎の研究は単一(無機)材料を主体にした研究が行われていたため,広く他の生体材料に目を向けず,その適応範囲や特徴を理解出来なかった.無機材料は,形態付与が困難で溶解・吸収性の面で問題点があり,有機材料は形態付与が容易で加水分解して生体内に吸収されるが,その分解過程で炎症を惹起することがある.そこで今回は,有機・無機材料の欠点を補い,かつ利点を生かした複合材料(ハイブリッド)の開発を行うことが,顎骨骨髄炎への基礎的研究に有効であると考えた.各種抗菌薬を含有させた高機能性薬物徐放担体が開発されれば,国内・国外の生体材料研究における先駆的研究になるとともに,顎骨骨髄炎の治療期間を短縮できるため臨床応用に即した画期的な研究になると考えられる.今回の結果より,骨芽細胞を用いた各種抗菌薬を含有させた高機能性薬物徐放担体の初期接着能の測定の結果,GM含有の高機能性薬物徐放担体は優位に高い初期接着能を示していた.相対増殖率の測定,骨形成マーカー遺伝子の発現解析の結果においても,GM含有の高機能性薬物徐放担体は優位に高い増殖率,骨形成を示していた. 以上の結果,GM含有の高機能性薬物徐放担体は,顎骨骨髄炎への有効な高機能性薬物徐放担体として機能する可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GM含有の高機能性薬物徐放担体は,他の抗菌薬含有高機能性薬物徐放担体に比較し,優位に高い初期接着能を示しており,増殖率,骨形成においても同様の結果となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,家兎顎骨骨髄炎モデルを作成し,各種抗菌薬を含有させた高機能性薬物徐放担体の抗菌効果および骨伝導能・骨形成能などの組織学的評価を行う.
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