2012 Fiscal Year Annual Research Report
独創的なアプローチによる真のシスプラチン耐性遺伝子の検索
Project/Area Number |
22592237
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大廣 洋一 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40301915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸塚 靖則 北海道大学, -, 名誉教授 (00109456)
北村 哲也 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00451451)
進藤 正信 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20162802)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔がん / シスプラチン / 耐性遺伝子 |
Research Abstract |
口腔は、摂食、嚥下ならびに呼吸といった基本的な機能を営む器官である。口腔がんの治療では、根治的手術が第一選択となるため、術後に口腔の機能を喪失することになる。よって、放射線療法や抗がん剤療法などの非観血的治療の開発が緊要である。しかし、抗癌剤に抵抗性を示すがんの存在がしばしば治療の障害となる。耐性予測マーカーが明らかになれば、抗癌剤投与前に治療感受性を予測でき、かつこれを応用して耐性を克服できる可能性がある。 我々は、これまでに独自の方法で口腔がんにおけるシスプラチン(以下CDDP)耐性遺伝子群を同定し、特にオステオポンチン(以下OPN)に着目して研究を進めてきた。OPNは骨や胎盤など多くの組織で発現し、乳汁や尿中では分泌タンパクとしても検出される。口腔がん細胞株であるHSC-3細胞とSAS細胞にOPNを強制発現させると、コントロール細胞に比べ、CDDPに抵抗性を示すようになった。このOPN強制発現細胞は、生存活性を示唆するAKTの活性が亢進していた。AKT阻害剤の存在下にCDDPで処理した細胞は、コントロールと同様の感受性を示したことから、OPNの強制発現はAKTの活性を亢進することでCDDPに抵抗性を示すことが明らかとなった。また、OPN強制発現細胞はCDDPで誘導されるPARPの活性が低下していたことから、OPNがアポトーシスを阻害していることも明らかとなった。 約40例の臨床材料でOPNの発現とCDDPの感受性について検索した。CDDPで腫瘍が消失した群と縮小した群とに分けたところ、リアルタイムPCRで解析したOPNの発現はPR群で亢進していた。 これらのことからOPNは抗癌剤耐性を術前に予測できるマーカーとなりうることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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