2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規アポトーシス制御因子GRIMー19の発現制御機構の解析
Project/Area Number |
22592244
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
森 一将 明海大学, 歯学部, 講師 (80372902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 喜弘 明海大学, 歯学部, 教授 (50194311)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / アポトーシス / GRIM-19 / STAT3 / IFN |
Research Abstract |
GRIM-19(the Genes-associated with Retinoid-Interferon induced Mortality)は,インターフェロン6(IFN6)とレチノイン酸(RA)の共刺激により誘導される分子量19kDaのアポトーシス実行因子である.GRIM・19は,EGFなどの成長因子のシグナル伝達に関与する転写因子STAT3(Signal Transducer and Activator of Transcription 3)と結合し,STAT3依存性の遺伝子発現を抑制することにより癌細胞の増殖を抑制し,アポトーシスを誘導する. 口腔扁平上皮癌細胞におけるGRIM-19の発現を検討するため、HSC2,Ca9-22細胞にIFNBおよびRAを添加し,12時間および24時間後,total cell lysateを調製しWesわern blotを行った.HSC-2細胞ではIFN6およびRAによる共刺激でGRIM-19の発現は誘導されなかった.一方,Ca9-22細胞ではIFN6,RAによる共刺激でGRIM-19の発現が誘導された.また同じ条件下におけるmRNA発現をリアルタイムPCR法により検討したところ,Western blot法と同様にCa9-22細胞ではIFNB,RAによる共刺激でGRIM-19の発現が有意に誘導されたが、その他の細胞株での有意な発現誘導は認められなかった.またTypeIIインターフェロンであるIFNYによるGRIM-19の発現誘導は,いずれの口腔扁平上皮癌細胞株でも認められなかった. GRMI-19の構成的な発現が認められないHSC-2細胞に,GRIM-19を強制発現させ,STAT3の発現やSTA3依存性遺伝子発現に及ぼす影響を検討するため,レンチウイルス発現ベクターを作製した.ウイルスベクター構築には,Gateway(R)システムを用い,GRIM-19cDNAをdestination vectorにクローニンぎした後,ウイルスパッケージングミックスとともに293FT細胞に遺伝子導入し,組み換えレンチウイルスを得た.また,コントロールとしてGFP発現組み換えレンチウイルスも作製した.レンチウィルスベクターによりHSC-2細胞にGRIM-19を強制発現したところ,STAT3の発現に抑制傾向が認められた. 口腔扁平上皮癌細胞株においてSTAT3の発現について検討したところ,HSC-4,Ca9-22細胞ではHSC-2,HSC-3細胞に比べて発現量は低かった.リン酸化STAT3はすべての口腔扁平上皮癌細胞株においてその発現が認められた.このSTAT3のリン酸化(Tyr705)はIFNy処理により変化は認められなかった.
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