2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織のリモデリングを制御する細胞バイオメカニクスシグナリング機構の解析
Project/Area Number |
22592278
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千葉 美麗 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10236820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 良央 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30302152)
工藤 忠明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50431606)
林 治秀 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90107293)
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (80014025)
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Keywords | 骨改造 / シグナル伝達 / 歯周組織 / マイクロアレイ / バイオメカニクス / 歯根膜細胞 / 骨芽細胞 / 超音波 |
Research Abstract |
本研究は、メカニカルストレス受容により発現誘導される分子群を解析し、その機能から有効な骨改造制御分子を選択し、歯周組織に発現誘導し、改造機構の制御法を開発することを目的とし、以下のような結果を得た。 (1)周期的伸展刺激に対する骨芽細胞の遺伝子発現応答 骨芽細胞をコンフルエントの状態に培養し、その後、周期的伸展刺激を負荷した。刺激後、細胞からtotal RNAを抽出し、非分解total RNAを用いてマイクロアレイによる網羅的発現解析を行った。 周期的伸展刺激の負荷により、発現上昇する遺伝子群、発現減少する遺伝子群、不変の遺伝子群が検出された。さらに遺伝子発現パターン解析により、いくつかのシグナル伝達経路が候補としてあがった。 今後、これらの遺伝子発現パターンの解析を詳細に行い検証する。歯周組織のリモデリング機構において重要な役割を果たし、発現誘導される遺伝子群が、組織リモデリングのバランスを調節している可能性がある。 (2)Photolithography技術を利用した3次元培養系の細胞応答 底面にボックスタイプの微小空間マイクロパターンを付与した24wellプレートを用い、細胞増殖活性、Real-time PCRによるmRNA発現の定量評価、細胞の形態や配向性および細胞骨格の観察を行った。骨芽細胞に最適な微小空隙を与えると、細胞自身が運動し、分化が促進することが示された。細胞環境を認識する分子、すなわちインテグリン等の接着分子やサイトカインの遺伝子発現増強が確認され、細胞膜に発現する接着分子と細胞内の細胞骨格による細胞内バイオメカニクスの関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日の東日本大震災により、殆どの実験機材が転倒して損壊し、研究建物は「立ち入り制限」状態のため避難しなければならなかった。停電と断水が数日間続き、冷蔵庫内のサンプルや試薬は失活し、インキュベータ内で培養中および冷凍保存中の細胞は死滅した。動物実験中のラットは、動物実験施設の停電と断水のため安楽死処分となった。そのため、研究体制の立て直しに時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を精力的に遂行する.研究分担者との研究会議による進行状況報告会で活性化を図る。研究体制が立ち直り、解析可能な実験から随時進め、今後は最終年度での成果発表と公開を目標に、計画通りに遂行するよう尽力する。
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Research Products
(6 results)