2012 Fiscal Year Annual Research Report
摂食嚥下機能に対する口腔軟組織、顎顔面形態と不正咬合の関わり
Project/Area Number |
22592304
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山田 一尋 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (40182521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 裕次 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20190366)
松尾 浩一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90507675)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 摂食 / 嚥下 / 不正咬合 / 咬合力 / 口唇閉鎖力 / 顔面形態 / 唾液分泌量 |
Research Abstract |
摂食嚥下機能と口腔軟組織,顎顔面形態と不正咬合の関わりを総合的に検討するために,ピーナッツ咀嚼時の咀嚼開始から嚥下までの咀嚼回数,咀嚼時間,粉砕度(10回,20回,嚥下直前)と唾液分泌量,最大咬合力,咬合接触面積,口唇閉鎖力総合力および顔面形態の関連を,過去に矯正治療の既往を認めない成人女性不正咬合者40名と成人女性正常咬合者10名を対象に検討した. その結果,20回粉砕度は正常咬合者が骨格性I級,II級,III級に比べて有意に大きい値を示した.嚥下までの咀嚼回数は骨格性III級が骨格性I級と骨格性II級に比べて有意に少ない値を示し,咀嚼時間は骨格性III級が骨格性I級に比べて有意に短い値を示した.嚥下直前粉砕度は骨格性III級が正常咬合者に比べて有意に小さい値を示した. 以上の結果より,本実験では骨格性I級とII級が骨格性III級と比べて嚥下までの咀嚼回数が有意に多く,また骨格性I級,II級,III級は正常咬合者に比べ20回粉砕度では有意に小さい値を示したが,嚥下直前粉砕度では骨格性I級とII級は正常咬合者と有意な差が見られなかったことから骨格性I級とII級は咀嚼回数の増加により咀嚼能率を補償していると推察された. また,本研究の骨格性III級は嚥下直前粉砕度が小さく,十分に咀嚼せずに嚥下していることが示された.骨格性III級では咀嚼に必要な力を発揮するTypeII線維の選択的委縮,比率の減少がみられると報告され,また,骨格性III級は咬む力を発揮する咬筋に比べ下顎位の保持を役割とする側頭筋の筋活動量が優位で,咀嚼時における咬筋の低い咀嚼筋活動量が報告さている.すなわち,咀嚼筋のタイプならびに咬筋と側頭筋の活動のバランスが関連し,骨格性III級では咀嚼機能の低下に対する順応もしくは代償作用として嚥下直前の嚥下閾が正常咬合者と比べ低くなっている可能性が推察された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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