2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜上皮細胞における癌関連遺伝子発現への口臭物質の影響
Project/Area Number |
22592349
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
村田 貴俊 鶴見大学, 歯学部, 寄附講座准教授 (10313529)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アポトーシス感受性 / 硫化水素 / 癌細胞 / PHLDA1 |
Research Abstract |
前年度までに、①歯肉癌細胞(Ca9-22)が正常歯肉上皮細胞より硫化水素に対するアポトーシス感受性が高い。②その感受性に影響を及ぼす候補遺伝子産物の一つが、pleckstrin homology-like domain, family A, member 1 (PHLDA1)である。③歯肉癌細胞に過剰発現しているPHLDA1は、硫化水素曝露によりさらに発現を上昇させる。以上を明らかにした。 本年度は、①アクチノマイシンDによる歯肉癌細胞のアポトーシス誘導時にもPHLDA1の発現が上昇する。②過剰発現したPHLDA1をRNA干渉により発現を抑制したところアポトーシスを誘導する。という所見を得た。同様の所見は、PHLDA1を過剰発現している舌癌細胞(SCC-25)でも認められた。一方、PHLDA1をほとんど発現していない肺癌細胞(A549)でのアポトーシス誘導時には、PHLDA1の発現に変化はなかった。以上から、PHLDA1は①アポトーシス誘導に必須でない。②アポトーシス抑制に働いている。と考えた。つまり、アポトーシス誘導時のPHLDA1の発現上昇は、アポトーシス抑制増強によるものであろう。 これまでに「アポトーシス誘導時のPHLDA1発現上昇」に関する多くの報告があるが、その解釈は単純に、「PHLDA1がアポトーシス誘導を促進する」というものである。しかしながら、本研究はアポトーシス誘導時のアポトーシス抑制増強という反対の解釈を可能とする。加えて、本研究所見は、PHLDA1がPHLDA1を過剰発現している癌細胞の治療ターゲットとなる可能性も示唆しており、癌治療研究推進に貢献する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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