2010 Fiscal Year Annual Research Report
腰痛発症リスク予見のための移動援助動作評価ツールの開発と実用化の検証
Project/Area Number |
22592372
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿曽 洋子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80127175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊部 亜希 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80452431)
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Keywords | 腰痛発症リスク / 移動援助動作評価ツール / 足底荷重値 / 空間位置座標 / 腰部椎間板圧迫力 / 腰部モーメント / 安定性得点 / 効率性得点 |
Research Abstract |
本研究は、看護師が日常的に実施する援助の中で、腰痛などの筋骨格障害の原因ともなる、ベッド上で上方に移動、側方へ移動、及び車椅子への移乗の援助時の動作(以下、移動援助動作と表記)に着目し、動作経済め法則を基に、移動援助動作の筋骨格への負担の程度を客観的に評価できるツールを開発し、看護師の筋骨格負担に関する実態を明らかにすることを目的としたものである。本研究の結果は、臨床で働く看護職者の腰痛発症予防の一助になると考えている。ツールの開発に当たり、妥当性と信頼性の検証を計画しており、妥当性の実験を平成22年8月に、14名の看護師を被験者として実施した。ベッドの上方への移動と車椅子への(からの)移乗の2種類の移乗移動援助動作を撮影し、足庫荷重値と空間位置座標の測定およびツールによる移動援助動作の点数化を行った。足底荷重値からは被験者の基底面中心と荷重中心との距離を算出した。空間位置座標からは、被験者の腰部椎間板圧迫力および腰部モーメントを推定し、累積移動距離と所要時間を算出した。ベッドの上方への移動援助に関しては、ツール得点の合計と腰部椎間板圧迫力の最大値との間に有意な相関がみられた(r=-0.46、p<0.05)。また、ツールの安定性得点と腰部モーメントの最大値および基底面中心と荷重中心との距離の平均値との間にそれぞれ有意な相関がみられた(r=0.55、p<0.01およびr=-0.41、p<0.05)。ツールの効率性得点は累積移動距離と所要時間それぞれとの間に有意な相関がみられた。(r=-0.60、p<0.01およびr=-0.64、p<0.01)。車椅子への移乗に関しては現在解析中である。信頼性の検証実験は現在進行中であり、3名の看護系大学教員が、ビデオ映像による移動援助動作の得点化を実施している。得点化の結果回収は3月末を予定している。23年度には、妥当性と信頼性の検証された本ツールを用い、病院での実態調査を予定している。
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Research Products
(1 results)