2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護学実習中の医療事故回避に向けた教授活動自己評価尺度の開発-実習安全FDの実現
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22592380
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
定廣 和香子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (60299899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (00229098)
横山 京子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (80341973)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 患者安全 / 医療事故防止 / 看護学実習 |
Research Abstract |
平成24年度は、次の研究目的の遂行に向け、平成23年度より引き続く活動および、発展的な活動を実施した。 研究目的:実習中の医療事故を回避するために教員が実施している対策と実践を明らかにし、実習中の医療事故防止に必要な教員の教授活動を自己評価する尺度を開発する。 平成23年3月から6月に郵送法により看護学教員を対象に実施した質問紙調査に返送のあった313名の回答のうち、有効回答305部について、平成23年度に引き続き、カテゴリ化を実施した。しかし、スーパービジョンおよび専門家会議を繰り返した結果、カテゴリの精度に課題があることが明らかとなった。そのため、再度カテゴリ化を実施し、この再カテゴリ化の結果である63カテゴリを我が国の看護学教員が医療事故防止に向けて示す対策と実践の解明に向けたfirst stepの分析結果として、Sigma Theta Tau International 第24回国際学会に投稿し、採用された。しかし、測定用具開発の基盤として、カテゴリ数が多すぎる、カテゴリ名が具体的すぎるため、さらに統合できる可能性があるなどの課題が確認できた。そのため、さらにカテゴリを分析し、考察した結果、最終的に40カテゴリが形成され、医療事故防止に向けた教員の対策と実践に8側面の特徴があることが明らかとなった。加えて、これらの分析過程と同時に測定用具開発の理論的枠組みの構築を実施し、40カテゴリおよび8側面の特徴に基づく、測定用具の第1案を作成した。これらの過程を通して、最終的な成果である実習中の医療事故防止に向けた教員の教授活動自己評価尺度の開発基盤が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、①測定用具の理論的枠組み・測定用具の案を作成し、②専門家会議とパイロットスタディを実施することを目標とした。①および、②の専門家による検討会議は達成できたが、測定用具は、まだ第1案であり、今後、共同研究者との検討および、専門家会議によるさらなる洗練が必要であると判断している。パイロットスタディが実施できなかったため、やや遅れている部分もあるが、理論的枠組みおよび測定用具はほぼ完成しており、本年度中に、最終目標である本調査、パイロットスタディを確実に実施できる期間を十分に(約5ヶ月間)確保しているため、全体の進捗状況としては、概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画したとおり、順調に進展しており、予定した研究成果も確実に産出できている。カテゴリの信頼性を確認するための一致率の算出は、年度にまたがって実施しているが、現時点では、信頼できると判断する70%以上確保できていることを確認した。 平成24年度までに産出した成果である「看護学実習中の医療事故防止に向けた教員の対策と実践」については、日本看護教育学学会の学術集会に発表を予定し、原著論文も作成、投稿する予定である。 次の段階である、「看護学実習中の医療事故防止に向けた教授活動自己評価尺度」の開発に向けた理論的枠組みの構築および測定用具の作成は、ほぼ順調に進んでいる。そのため、本年度中に所属大学による研究審査を受け、パイロットスタディ、本調査を実施し最終目標であるFDモデルの成文化を実現する。現時点では、研究を遂行する上での問題点はとくにない。
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Research Products
(1 results)