2011 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下機能レベルに対応した嚥下障害患者への食事援助方法の開発
Project/Area Number |
22592432
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森本 紀巳子 久留米大学, 医学部, 准教授 (80268953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 志保子 順天堂大学, 看護学部, 教授 (00218356)
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Keywords | 口腔機能 / 嚥下障害 / 神経難病患者 / 舌筋力 / 食事援助 |
Research Abstract |
本研究では、在宅や施設などで患者の摂食・嚥下機能レベルを客観的に判断できる容易な測定方法を見出し、患者・介助者にとって経口的に食事を食べる行為とその介助の困難さを少しでも解消する援助方法の開発を目指している。その第一段階として、平成22年度~23年度前半は、患者の摂食・嚥下機能の障害レベルを判定する指標および確実で容易な測定方法を検討するために、24~85歳の健常者55名の摂食・嚥下に関わる機能を測定した。その結果、健常者の口輪筋・口唇の筋力と運動範囲、舌の筋力と運動範囲、口唇・舌・軟口蓋の動き(速度)、嚥下運動、咀嚼運動の機能は、50歳以上の被験者に年齢との相関がみられた。特に70歳以上の被験者は、口角を伸展する筋力、舌を自在に動かす筋力・舌圧、軟口蓋の動きなどが著しく低下しており、このことが口腔内に摂りこんだ食物を舌で食塊にして咽頭に送り込み、飲み込むという嚥下運動の低下に繋がっていると推察された。また、測定した項目・方法は、在宅や施設で患者に苦痛を与えずに測定が可能で、摂食・嚥下機能障害がある患者の機能レベルの判定指標として活用できることが示唆された。そこで、平成23年度後半は、神経難病患者のうち嚥下ができ食事ができる患者を対象に、健常者に行った測定項目と患者の食事状況の調査を開始し、平成24年3月において調査を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
在宅や施設などで患者の摂食・嚥下機能レベルを客観的に判断できる容易な測定方法を見出すために、当初、被験者を患者として計画していたが、事前に測定方法の安全性の確認や測定指標の作成するために、健常者を対象にした測定を追加した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度12月から患者を被験者にした摂食・嚥下機能レベルの調査を行っている。今後は、被験者を増やして調査の継続を行い、その結果の分析から摂食・嚥下機能レベルを健常者と患者で比較し、また、患者の摂食・嚥下機能レベルに対応する食事内容等について検討する。
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Research Products
(1 results)