2012 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下機能レベルに対応した嚥下障害患者への食事援助方法の開発
Project/Area Number |
22592432
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森本 紀巳子 久留米大学, 医学部, 准教授 (80268953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 志保子 順天堂大学, 看護学部, 教授 (00218356)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 嚥下障害 / 神経難病患者 / 舌筋力 / 食事援助 |
Research Abstract |
本研究は、在宅や施設などで患者の嚥下機能レベルを客観的に判断できる容易な測定方法の検討、嚥下機能レベルと食物の種類や形態との関係の検討から食事援助方法の開発を目指している。 平成24年度は、神経難病患者の嚥下機能と食生活状況の関連、本研究の測定方法が食事援助にむけたアセスメントに活用できるかを検討した。対象は、在宅や施設で生活している神経難病患者10名で、食生活状況の調査と平成23年度に健常者に行った摂食・嚥下機能測定(口輪筋・口唇の筋力および運動範囲、口唇の閉鎖力、舌の筋力と運動範囲、口唇・舌・軟口蓋の動き、嚥下運動、咀嚼運動)を実施した。また、対象者6名がパーキンソン病、3名がパーキンソン症候群、1名が大脳皮質基底核変性症であり、年齢は40歳代1名、60歳代4名、70歳代以上5名であった。8名に嚥下障害があった。 結果、平成23年度に調査した健常者の年齢別平均と比較では、60歳代4名は口唇の運動範囲や嚥下運動、および舌の突出筋力と運動範囲が低く、うち2名は口唇・舌・軟口蓋の動きと口唇の閉鎖力も低かった。咀嚼運動は全員が健常者と同様に良好であった。70歳代以上の5名は、測定した全項目で低かった。特に嚥下運動は、30秒内に嚥下ができなかった者が2名、1回のみ2名、2回目まで1名であり、嚥下に時間を要した。また、舌の筋力では突出筋力が挙上筋力よりも低かった。咀嚼運動は、中程度から良好の範囲であった。食生活状況では食物の種類や形態を変えるのではなく、大きさや軟らかさを考え、できるだけ家族と同じ物を食べるように工夫していた。 嚥下障害があっても口から食べられる神経難病患者の場合、舌・口唇の筋力や運動範囲が低下しているが、咀嚼力を維持できていることが明らかになった。そのことが家族と同じものを食べることに繋がっていると考えられ、咀嚼力を生かす食事援助方法が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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