2010 Fiscal Year Annual Research Report
遷延性意識障害患者の食べる機能の回復を目的にした看護介入モデルの構築
Project/Area Number |
22592436
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日高 紀久江 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (00361353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙屋 克子 静岡県立大学, 看護学研究科, 教授 (90272202)
林 裕子 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (40336409)
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Keywords | 遷延性意識障害 / 摂食嚥下 / 看護 / リハビリテーション / 実態調査 |
Research Abstract |
平成22年度は,遷延性意識障害患者の状況と看護・リハビリテーションの実態を把握するために,関西地区一県における実態調査を行った.研究は滋賀県における医療機関56施設を対象に,郵送による質問紙調査を実施した. 医療機関56施設のうち26施設から回答を得た(回収率46.4%).病院の概要として,一般病院(17施設)の平均在院日数は20.8日であり,長期療養型病院(2施設)では243.0日であった.遷延性意識障害患者は全入院患者数5,654人中466人であり8.2%を占めていた.意識障害患者は男性より女性が多く,年齢層は40歳以降になると80歳までは年齢が高くなるにつれて患者数が増加していた.意識障害の原因は脳血管障害が最も多く,次いで呼吸・循環器系疾患の順に多かった.意識障害の状態は,植物状態が251人(54.0%),最小意識状態は196人(53.9%),196人(49.1%)であった. 現在実施している看護ケアは,口腔ケア,排泄コントロール,栄養管理,生活リズムの調整の順に多かったが,摂食嚥下や表情筋のマッサージ等の実施率は低かった.一方,他職種におけるケアは理学療法士における関節運動,栄養士における栄養管理の順に多かった.遷延性意識障害患者に関わる職種間連携の状態として,看護師を軸として,医師,理学・作業療法士,言語聴覚士,栄養士,看護助手について5段階で評価してもらった.その結果,全ての職種において「まあよいと思う」が40~50%と最も多かった.しかし,言語聴覚士においては「その他」が25.5%であった.摂食嚥下訓練は看護師と言語聴覚士に共通しているケアであるが,意識障害患者への実施率は両職種間にほとんど差はなかった.しかし,多職種との連携の状態から,摂食嚥下に関して看護師は言語聴覚士と意見の相違などがあるのではないかと推測された.
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