2011 Fiscal Year Annual Research Report
病棟看護師による終末期がん患者への早期からの退院調整システムの開発
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22592450
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
広瀬 会里 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (90269514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
尾沼 奈緒美 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (00295627)
堀田 暢子 (永田 暢子) 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10438856)
生田 美智子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (40335047)
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Keywords | がん / 退院調整 / アクションリサーチ / 病棟看護師 / 終末期 |
Research Abstract |
終末期がん患者への退院調整は、予命告知、治癒をめざした治療から緩和ケア主体の治療への転換、がんの症状コントロール、そして継続的に管理が必要となる医療処置の問題があり、取り組むべき課題は多い。また、がんの病状の悪化により退院調整の課題はがんの進行とともに複雑化していく。そのため病棟看護師は治療や症状コントロール等に追われ、療養の場の選択に患者が主体となり意思決定できるよう介入する時期を逸することが多い。本研究は実践的な研究手法であるアクションリサーチの手法を用いて、看護師と研究者の協働により終末期がん患者の療養生活の質の向上に寄与する早期からの退院調整を可能とするプログラム開発することを目的としている。 H23年度は、地域がん診療連携拠点病院のがん相談支援室の看護師らによる退院調整の実態をリスニングし、退院調整の実施状況の把握をした。がん相談支援室ではケア在宅緩和ケア支援・調整スクリーニングシートや退院時共同カンファレンス記録の整備などにより、がん相談支援室への依頼件数は、年々、向上が図れている。しかし、一方で、病棟看護師による退院調整への関与のばらつきや、対象となる患者のスクリーニングの漏れなど課題も見えてきている。終末期がん患者の退院調整には、病棟看護師個々の退院調整能力の向上も重要であるが、病棟全体で退院調整を進められるシステムが求められる。今後は病棟毎の課題を明確にして取り組む実践者を募る。実行に伴う負担感が大きく、実践者となる看護師がいなくならないよう、相談支援室や看護部の支援をえられるよう体制を整え、アクションリサーチのメンバーを構成していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病院のがん相談支援室の看護師との協働体制はとれたが、病棟看護師による実践グループの結成が十分ではないため、アクションリサーチの実施が遅れている。がん相談支援室の看護師らの協力及び文献等から、病棟看護師が直面している終末期がん患者の退院調整における課題の概要は把握できた。
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Strategy for Future Research Activity |
病棟看護師による実践グループの結成を速やかに進めるため、がん相談支援室の看護師と十分な連携を取りながら、計画を進めていく。
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