2010 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の子どもの性に関する発達課題や諸問題に対応できる子育て支援システムの構築
Project/Area Number |
22592508
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
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Keywords | 思春期 / 性に関する教育 / 子育て支援 / 家庭 / 母親 |
Research Abstract |
思春期の性に関する子育て支援システムの構築に向けた支援モデルの構成要素の内、親が求めている支援を明らかにすることを目的に、アンケート調査並びに座談会形式のグループインタビューを実施した。アンケート調査は、母親が子どもに行う性教育として最も多い月経教育に着目し、高校生の母親1000名を対象とした。結果、分析対象220名中28.6%が困難感を感じており、その理由としては「学校でどこまで教えているかわからない」や「知識に自信がない」が多かった。また、母親は自分の知識や経験だけでは答えられないことに困難感をもち、「月経時の鎮痛薬服用について」専門家の話を聴きたいと思っていた。グループインタビューは、小中高校生の子どもをもつ母親を対象に、60分程度の座談会形式で、思春期の性に関する子育てで困っていること、悩んでいること、希望する子育て支援の内容や時期などについての話し合いを、5~6名の構成人数で2グループ実施した。結果、母親自身が性に関する知識不足であり、子どもを取り巻く性の現状(性感染症やケータイ電話を通じた性犯罪についてなど)を把握していなかった。性に関する話を子どもにすることに抵抗感をもつ親もおり、性教育の実施状況には家庭差があり、良く話題にしている家庭とほとんど話さない家庭があった。専門家の話は聴きたいと思うが、子どもが中高生くらいになると仕事を再開する親が増えることなどから、講演会は子どもが小学生の頃が一番聴きやすいことがわかった。また、少人数の座談会形式なら中高校生の子どもをもつ母親も集まりやすく、皆で話し合いながら知識を深め、情報交換することに興味を持っていた。以上より、具体的な支援システムの構築に向けて、親が求めている支援や支援の時期、方法などを検討する上での重要な結果が得られた。
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