2010 Fiscal Year Annual Research Report
養護教諭の健康相談活動スキル向上のためのプログラムの開発
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22592535
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 ゆり子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90336660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 由美子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30347372)
村井 文江 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40229943)
森田 展彰 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (10251068)
金丸 隆太 茨城大学, 教育学研究科, 講師 (30361281)
村松 照美 山梨県立大学, 看護学研究科, 教授 (90279894)
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Keywords | 養護教諭 / 健康相談活動スキル / 小学生 / 健康課題 / 改訂版生活分析的カウンセリング |
Research Abstract |
養護教諭の健康相談活動スキル向上のためのプログラム開発を目指して、小学校の養護教諭を対象に参画型研修を実施した。参画型のプログラムのなかで、養護教諭は、児童の健康調査と健康課題の明確化を行い、健康課題解決のためのスキルとして改訂版生活分析的カウンセリング(LAC-R)を実践した。【結果】小学校の養護教諭15名を対象に2010年7月~2011年2月の間の土曜日に5回の研修会を開催した。研修会の内容は、午前は児童生徒の発達課題や健康課題を理解することを目的とした講義、午後は理論やモデルに基づいた健康相談活動の演習で構成した。評価は、毎回の研修修了時および最終研修修了時にアンケートにより行った。その結果、「プログラムとして適切である・ほぼ適切である」と回答した割合は、講義では92.3%~100%、演習では76.9%~100%と高い評価が得られた。5回の研修全体の評価は、「良かった・ほぼ良かった」と回答した割合は、「内容」100%、「期間」77%、「時期」53.9%であった。本プログラムは参画型であるので、養護教諭は児童の健康実態調査を行い、その結果をもとにLAC-Rによる介入を実施した。児童の健康実態調査は小学4年生~6年生1786人に行い、有効回答1682を分析した。自覚症状で訴えの多い項目は、男女ともに「横になって休みたい」「目が疲れる」「おなかが痛い」であった。そこで、自覚症状の訴えの多い児童を中心に、養護教諭によるLAC-Rの介入を実施した。LAC-R実施前後のデータが得られた195人を分析した結果、自覚症状尺度得点では有意な差は認められなかったが、自己肯定度インベントリーの下位尺度の「家庭場面での自己(p=0.012)」と「学校場面での自己(p=0.016)」で有意差が認められ、LAC-R実施後は高かった。これらの結果から、本プログラムは養護教諭の健康相談活動スキル向上に貢献できることが示唆された。次年度は小学校・中学校・高等学校共通のプログラムの精選を行う予定である。
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