2011 Fiscal Year Annual Research Report
養護教諭の健康相談活動スキル向上のためのプログラムの開発
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22592535
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 ゆり子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90336660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 由美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30347372)
村井 文江 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40229943)
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
金丸 隆太 茨城大学, 教育学研究科, 准教授 (30361281)
村松 照美 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (90279894)
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Keywords | 学校看護 / 健康相談活動スキル / プログラム開発 / コラージュ技法 / コミュニケーション / 養護教諭 |
Research Abstract |
本年度は、小学校、中学校、高等学校の養護教諭に共通して必要な健康相談活動スキルの向上を目指した参画型プログラムの内容としてコラージュ技法を取り上げ、養護教諭が勤務校において児童生徒にコラージュ技法を導入、実践した。そして1年間を通じて行った5回の研修会でコラージュ作品を通した事例検討を行い健康相談活動スキルの向上を目指した。対象は小学校養護教諭7名、中学校養護教諭3名、高等学校養護教諭3名の計13名である。平成23年6月11日(土)に第1回目の研修会を開催し、本年度の研究目的と今後の進め方について共有した。その後各学校において、養護教諭が児童生徒の健康相談活動の一環としてマガジン・ピクチャー・コラージュによるコラージュ技法を実践した。そして平成23年10月、11月、平成24年2月、3月に開催した研修会で事例検討を行った。 事例検討を行った件数は、小学生14名、中学生12名、高校生6名の合計32名であった。そのうち15名は2回以上継続してコラージュを作成していた。コラージュを作成した児童生徒の感想は、「眠れるようになった」「完成出来てうれしかった」「すっきりした」などが記述されていた。また、養護教諭のコラージュ作成中の観察では、児童生徒は自分の好きな切片を雑誌などのなかから捜して切って貼るという一連の作業を夢中になって楽しそうに行っていた、集中していたなどの肯定的な言動が観察されている。コラージュの特徴として、材料さえそろえばどこでもいつでもだれでも簡便に出来るという特徴がある。今回は、小学校1年生から高校3年生まで、幅広い年齢層で実施できた。また、養護教諭はコラージュ作品を児童生徒理解に活用し、コラージュを媒介として養護教諭と児童生徒とのコミュニケーションが促進されでいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究目的である小学校・中学校・高等学校の養護教諭を対象に、健康相談活動スキルの一環としてコラージュ技法を取り上げ、コラージュ技法を小学生.中学生・高校生に適用して実践できたこと、そして、そのコラージュを通して事例検討を行い、児童生徒の健康相談活動について検討出来たことは、概ね予定通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度に小学生を対象に実施した改訂版生活分析的カウンセリング、平成23年度に小学生・中学生・高校生を対象に実施したコラージュの評価から、養護教諭の健康相談活動スキル向上のためのプログラムを構築する。 (1)小学校、中学校、高等学校の養護教諭に共通して必要な健康相談活動スキルを開発する。 (2)小学校、中学校、高等学校の養護教諭に共通して必要な健康相談活動スキルと児童生徒の発達段階に対応した健康相談活動スキルからなる、小学校、中学校、高等学校それぞれの養護教諭に求められる健康相談活動スキル向上のためのプログラムを開発する。
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