2011 Fiscal Year Annual Research Report
保健師のネットワーク技術獲得のためのプリセプターと住民活用による教育ツール開発
Project/Area Number |
22592551
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
越田 美穂子 香川大学, 医学部, 准教授 (30346639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 美智恵 香川大学, 医学部, 教授 (30223895)
山田 小織 福岡大学, 医学部, 助教 (60369080)
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Keywords | ネットワーク / プリセプター / 模擬住民(患者) / 教育ツール開発 / 人材育成プログラム開発 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、行政保健師の専門技術である、地域でのネットワーク形成実践技術の獲得について、新任保健師に対し、プリセプターを介した教育と模擬住民(患者)を活用した教育という両面から教育ツールを開発、評価を行うことである。 平成22年度は対象自治体と協働で基盤となる新人保健師人材育成のための教育プログラムとそのツールの試案を検討し、平成23年度からはそのプログラムを新人行政保健師とプリセプタニを対象に試行実施し、保健師専門技術獲得における達成度を量的、質的に評価した。 量的評価としては、技術項目の到達度を6段階で確認し、その推移を入職時・3ヶ月・6か月・1年の時期ごとにプリセプターと一緒に評価を行った。その結果、入職時までの経験の影響はあるが、半年の時点で基本的な技術項目については、単独での技術実施が可能なレベルの技術獲得状況が伺えた。 質的評価としては、3ヶ月・1年の時点で、新人とプリセプター保健師に面接調査を行い、研修の状況や新人とプリセプターとの関係、教育ツールやプログラムの評価などをデーター収集し、質的帰納的に分析した。その結果、プリセプター制については概ね良好な関係が取れ、教育効果があったが、物理的な距離や入職からの時期がその関係に影響を与えていた。また教育プログラムについての評価は良好であったが、ツールとして開発したポートフォリオについては、入職時は活用されていたが、3ヶ月くらいになると記入への負担感を訴えていた。 これらの得られた結果を、随時研究者と自治体で検討を行い、ツールの改善や教育システムの充実を図った。またその結果を関連学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の最終目的である、ネットワーク技術の獲得のための住民を活用した人材育成プログラムの開発を行うためには、それを組み入れて効果を挙げるための基盤となる人材育成プログラムが必要である。しかし対象自治体には保健師の教育プログラムそのものが存在しなかったため、研究と同時進行でプログラム開発を行い、実施評価を行った。そのため初年度からの2年間は、主に新人とプリセプター保健師を対象にプログラム開発を行った。今年度は昨年から準備している、住民を対象とした調査を行い、プログラムの開発と検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の新人保健師と保健師プリセプターを対象に、昨年度改善した教育プログラムを継続実施し、専門技術獲得における達成度を量的、質的に評価し、昨年度の結果と比較し、より効果的な教育プログラム開発に向け、検討する。また、継続して2年目保健師とそのプリセプターを対象に、量的、質的に評価を行い、中堅期も視野に入れた今後の教育プログラムについて検討する。 さらに住民を対象に、住民をプリセプターや模擬住民(患者)とした教育プログラムとツール開発に向けた面接調査を行う。分析結果を基に、対象自治体と協働で今までに開発した新人教育プログラムに組み込む形での実施と教育ツールについて検討する。 以上の調査1~3の分析結果を基に、対象自治体の現任教育検討会委員と協働で、今までに開発した新人教育プログラムに住民参加のプログラムを組み込んだ新たなプログラムと教育ツールを開発する。加えて今後の中堅保健師の教育プログラムの開発を視野に入れた検討も行う。
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Research Products
(3 results)