2010 Fiscal Year Annual Research Report
長期療養児と家族のライフイベントに着目した包括的サポートシステムの確立
Project/Area Number |
22592562
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
前馬 理恵 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (50382354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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Keywords | 長期療養児と家族 / ライフイベント / 保健・医療・福祉・教育機関との連携 / 母子保健と学校保健の連携 / 包括的サポートシステム |
Research Abstract |
長期にわたり療養する児(以下長期療養児という)と家族が安心して生活できるために、家族の危機的な状況を早期に把握し、支援できる体制を構築することを目的に、22年度は、和歌山県難病の子ども家族会の代表者6名にインタビュー調査とともに発達段階を追ってのレポートを依頼した。また、県内1保健所管内の長期療養児に関わる関係機関の連絡会議に参加、在宅での療養を支援する訪問看護ステーション28か所にインタビュー調査を行った。 家族会の調査では、発病時の病気の受容、入院時の家族を含めた生活、児の社会性の発達に伴う集団の場への移行に関することなどの問題が大きいことが明らかになった。特に就学時の不安や体制に関する問題が大きいようであった。関係機関の連絡会議では、保健・医療・福祉の連携の必要性を確認するとともに、地域での母子保健と学校保健のつながりが就学時のみに留まり、継続されていく体制が求められていた。また、地域の中で長期療養児と家族を支援するには、関係職種をコーディネートする機関が必要であり、病気の中には稀少なものも多く、保健所単位くらいで支援体制を考えていくことが適当ではないかと示唆された。訪問看護ステーションの調査においても、保健福祉行政とのつながり、保健医療福祉制度は不足している現状が明らかになった。 以上のことを踏まえて、長期療養児の家族と関係機関への調査を継続し、支援体制構築に向けての資料として、有効な回答が得られるよう質問紙の作成に活かしていく。
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