2011 Fiscal Year Annual Research Report
長期療養児と家族のライフイベントに着目した包括的サポートシステムの確立
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22592562
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
前馬 理恵 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (50382354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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Keywords | 長期療養児と家族 / ライフイベント / 就学移行期 / 保健・医療・福祉・教育機関との連携 / 母子保健と学校保健の連携 / 包括的サポートシステム |
Research Abstract |
長期にわたり療養する児以下長期療養児という)と家族が安心して生活できるために、家族の危機的な状況を早期に把握し、支援できる体制を構築することを目的に、平成23年度は、学校生活の始まりである就学移行期における課題を親と担任教員双方に半構成的面接法によるインタビュー調査を行った。対象は「A県難病の子ども家族会」の紹介により協力が得られた通常学校(小学校)に在籍している長期療養児の親とその児の1年生の時の担任教員4組であった。この分析結果から、親と教員の思いの類似点と相違点が明らかになり、重要な点として、(1)小規模な小学校では、就学前後の支援がうまくできている、(2)主治医と親の信頼関係の深さが主治医も学校の体制を考えてくれることにつながる、(3)就学前からの相談者(保健師・保育士)が学校とのパイプ役になってくれる、(4)児の同級生の親、家族会の親たちに相談できるなどが考えられた。また、県内保健所の長期療養児に関わる関係機関の連絡会議に参加、県立病弱児支援学校と連携し、長期療養児の支援体制のあり方について検討した。 これらの結果を踏まえて、支援体制に関連する要因と考えられる調査項目を検討し、アンケート調査を実施していく。現在、支援体制に関連する要因として、長期療養児の発病の時期、病気の種類、第何子か、親の積極性、家族会や他の親との関わりを考えている。支援については就学前からの支援者、継続支援、就学指導委員会の体制、支援学校の存在、学校の受け入れ体制(支援学級、支援員など)、関係機関・職種の連携(主治医、PT、保健師、保育士、教育委員会、校長、担任、養護教諭など)、ソーシャルサポート(教育相談、療育支援相談、介護支援など)を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、今年度に質問紙調査を実施する予定であったが、質問項目の吟味のために今年度も昨年度に引き続きインタビュー調査を実施し、調査内容を十分検討したうえで、来年度に質問紙調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今までのインタビュー調査の結果を基に、危機的なライフイベントである就学移行期に焦点をあて、全国の長期療養児の親の会の会員のうち就学移行期の児の親とA県の小学校の教員を対象にアンケート調査を行い、結果を分析し、長期療養児と家族のための包括的なサボートシステムを検討していく。
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Research Products
(1 results)