2012 Fiscal Year Annual Research Report
介護老人保健施設におけるケア職者と家族の協働による在宅支援指標の開発と検証
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22592580
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉本 照子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (40294988)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 介護老人保健施設 / 在宅支援 / 高齢者 / 家族 / ケア職者 / 連携 |
Research Abstract |
本研究の目的は、家族と介護老人保健施設(老健)の「看護職、介護職、訓練職、支援相談員、看護管理者(ケア職者)」が「相互に協力する意思をもち役割を遂行(協働)」することにより、在宅生活を望む要介護高齢者が在宅生活を継続できるように、ケア職者の「在宅支援に関する行動指標(在宅支援指標)」を開発し検証することである。 24年度の目的は、要介護高齢者の在宅介護に関する家族の意思決定に関する面接調査結果をもとに、意思決定に影響を与えた老健のケア職者の行動の特徴を明らかにして、各ケア職者の在宅支援指標を作成することである。 3施設におけるケア職者の在宅支援の行動の特徴は、利用者中心にケアを行いながら、家族は必ずしも利用者中心ではないことを認識し、看護職・介護職・支援相談員では利用者以上に家族支援に関する行動がみられたことであった。支援相談員は、家族に老健が提供できるサービスをわかりやすく説明し、利用目的・方法を動機づけ、看護職・介護職・訓練職はいずれも利用者・家族の在宅生活との連繋を意図して支援していた。 23年度の結果では、家族は利用者の意向・利益を優先し、また在宅介護の継続に向けて自分の個人生活と介護の両立の意向をもち,老健に対し,在宅介護に関する疑問・問題の相談・解決,利用者の意向に関する情報の獲得等の効果を認めていた。老健の役割として,利用者の意向に沿ったケアを基盤に、介護者自身の生活状況に沿った支援が重要と考えられ、これらの行動の特徴の重要性を支持していた。 24年度の知見の意義は、在宅支援機能の強化に取り組んでいる老健の実践報告にみられた家族との目標の共有・協力に関し、各ケア職者の具体的な行動とそれらの連携による老健の組織的な在宅支援のモデルを明らかにしたことである。老健の在宅支援が困難になりつつある中で、一部の老健における実践モデルの普及に活用可能性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度までに、在宅介護の意思を有する家族への支援指標の枠組みを作成できたと判断する。今後、ケア職者が家族の意思決定支援に困難を感じた類型の家族に関し、特徴を明確にして、サンプリングを行い、調査を補充する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度までの調査結果では、仕事との両立や自分の健康状態と今後の在宅介護の継続可能性に対する不安を有していたが、これらの支援は中間施設としての老健の支援の限界と考える。病院の退院支援および在宅看護における家族支援と比較検討し、老健の在宅支援の限界と特徴を明らかにして、老健における在宅支援指標を完成させる。
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Research Products
(1 results)