2012 Fiscal Year Annual Research Report
音楽刺激が自律神経および脳活動に及ぼす影響の検証と認知症高齢者看護への応用
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22592586
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂元 眞由美(川島眞由美) 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (10437444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助教 (20511554)
森岡 周 畿央大学, 健康科学部, 教授 (20388903)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 音楽 / 機能的赤外分光法 f-NIRS / 自律神経 / 脳活性化 / 前前頭葉 |
Research Abstract |
我々は重度認知症高齢者に対し音楽療法研究を実施し、快感情を誘発する特別な思い出がある好みの音楽の受動的聴取または能動的歌唱の両者共に短期的精神安定効果があることを確認した。一方、長期的効果においては関心・注意・感情機能に焦点を当てた音楽提供者の意図的介入による能動的音楽活動によって生活機能の改善効果、さらに受動的音楽聴取による機能維持が認められた。このような結果から、特別な思い出のある音楽を受動的に聴取することも重度認知症高齢者に何らかの影響があることが示唆された。そこで2010年度は、音楽療法で使用した音楽刺激自体がどのような影響を及ぼすのか、その効果を自律神経指標(心電図)と脳活動指標(機能的赤外分光法:f-NIRS)を用いて精神面と前頭葉の活性化に焦点をあて、まずは、測度を自律神経(心拍数・LF・HF・LF/HF)の変化および前前頭葉の酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビンの変化を用い、基礎的データを得るため健常な成人を対象に検証した。結果、全ての音楽刺激で自律神経はリラックスを示したが、前前頭葉が音楽刺激の違いによって活性化を示す場合とリラックスを示す場合があることが明らかになった。2011年度は、この結果をもとに高齢者に対して検証を進めたが、対象が高齢者であるため自律神経に影響をおよぼす基礎疾患や難聴を有することが多く、被験者数が必要数に満たされず計画が延期した。 2012年は、今までの研究成果の一部を発表すると共に、プレテストの結果から、実験デザインを再検討後、高齢者及び認知症高齢者を対象に実験を実施しデータ収集を終了した。2013年度はデータ分析をすすめ、認知症高齢者の生活機能向上に向けた音楽介入方法を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究の測度が自律神経(心拍数・LF・HF・LF/HF)の変化および前前頭葉の酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビンの変化であるため、基礎疾患や薬剤の影響を受けやすい。2011年度の対象は高齢者であったため、研究に必要な参加者を年度内に満たすことが困難となり、研究期間が延長したため、2012年度はその点を踏まえ、大掛かりな募集を行い、高齢者および認知症高齢者に対して実験を実施しデータ収集を終了することができた。最終年度である2013年に分析等進めていく予定であり、当初の計画の通り軌道修正できた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験データの収集が終了し、分析を行い、成果を発表する予定である。
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Research Products
(1 results)