2012 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者の足のスキンケアに科学的根拠を与えるための基礎的研究
Project/Area Number |
22592592
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
甲斐 博美 大分大学, 医学部, 助教 (80443894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三重野 英子 大分大学, 医学部, 教授 (60209723)
浜口 和之 大分大学, 医学部, 教授 (60180931)
井上 加奈子 大分大学, 医学部, 助教 (80634360)
末弘 理惠 大分大学, 医学部, 教授 (30336284)
荒川 満枝 大分大学, 医学部, 准教授 (00363549)
藤倉 義久 大分大学, 医学部, 教授 (10165368)
伊奈 啓輔 大分大学, 医学部, 准教授 (20203193)
北村 裕和 大分大学, 医学部, 助教 (70115559)
藤原 作平 大分大学, 医学部, 教授 (90181411)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フットケア / 要介護高齢者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、要介護高齢者の足のスキンケアに科学的根拠を与えることである。そのために、①献体を用いた組織形態学的研究により、要介護高齢者の足の皮膚・爪の内部構造を明らかにする。②介護老人保健施設に入所する要介護高齢者を対象に冬季・夏季に観察調査を行い、足の皮膚・爪の健康状態と影響要因を明らかにする。 ①組織形態学的研究:献体28体のうち、大腿直筋の厚さと幅の測定から生前歩行可能と推測され、爪白癬が認められない13体から第2趾中節骨周囲、第1・第2趾間で足背‐趾間‐足底部の皮膚および拇趾の爪を採取し試料とした。足背部の重層扁平上皮と角化層は薄く、かつ真皮結合組織層も薄かった。また、真皮乳頭の陥入が低く数も少なかった。足底部は、角化層および上皮全体が厚かった。真皮層は厚く、膠原線維も強靱であった。真皮乳頭の陥入は深く、数も多かった。表皮と真皮は、足背部から足底部へ滑らかに移行していた。汗腺は、足背部は比較的小型で少数であったが、足底部では比較的大型で数が多かった。脂腺は、足背部、足底部ともに存在しなかった。爪は堅く厚いが、爪根は存在した。 ②縦断的観察調査研究:冬季調査(平成24年2月)と同じ対象者16名に、夏季調査を平成24年9月に実施した。対象の平均年齢は80.9歳、男性4名、女性12名であった。足背皮膚の平均水分保有量は、右側24.0%、左側24.2%で、冬季よりも高値であったが有意差は認められなかった。足趾間(左)の亀裂が6名(37.5%)にあり、冬季より有意に多かった。皮膚温は、両側ともに平均31.8℃であり、冬季に比べ有意に高かった。また、履物内の温度は、両側とも平均27℃台、湿度は80%台であり、冬季に比べ有意に高かった。要介護高齢者の皮膚の乾燥は、年間を通じて認められた。夏季では履物内が高温多湿環境となり、浸軟や爪白癬悪化のリスクが増大すると考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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