2010 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県介護施設高齢者虐待防止への体制構築と教育プログラム開発に向けての実証的研究
Project/Area Number |
22592593
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
國吉 緑 琉球大学, 医学部, 教授 (80214980)
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Keywords | 高齢者虐待 / 高齢者虐待防止 / 介護施設 / 沖縄県 / 教育プログラムの開発 / 意識調査 / 施設従事者 |
Research Abstract |
本研究の目的は、沖縄県の介護施設における高齢者虐待防止のさらなる体制構築を目指して、施設ケアの実態を明らかにし、施設における高齢者虐待予防への教育プログラム開発への示唆を得ることである。今年度は、平成21年度に行った介護保険施設(介護老人福祉・介護老人保健施設)従事者に対し実施したアンケート調査の分析を行った。その成果として、施設従事者の健康関連QOLに影響を与える個人及びストレス要因は、年齢、職種、経験年数、残業・夜勤の有無、仕事での対人関係、仕事の適合性、心理・身体的・職場の支援でのストレスなど、複数の因子が関連していることが推察された。職業性ストレスに関しては介護職について分析した。介護職の仕事ストレスによる健康リスクは全国平均より高かったことから、仕事で求められる作業の量やスピードに比べ、職員の裁量権や自由度が限られていることが健康リスクを高めていることが示唆された。高齢者虐待に対する介護保険施設従事者の意識では、平成16年度に比べ虐待に対する意識は高まっていた。虐待発生の要因として平成16年と同様に「職場が多忙過ぎた」と回答した割合が高かった。身体拘束に関する意識調査においても前回の調査と同様、医療処置に関する質問項目で意識は低かった。また、先進地視察では、北欧のデンマーク国における高齢者福祉・医療および教育制度の取組等の見学や講義を受講した。高齢者虐待に関する法制度のないことは確認することができた。デンマークでは、高齢になり、独り暮らしや認知症となっても公的なサービスを受け、在宅での生活を継続されていた。実際に高齢者住宅を尋ねその状況を見学することができた。この背景には、デンマークにおける医療、福祉、教育、年金制度は国民の税金で賄われているごと、国民は無料でその制度を利用することができることなど、日本との大きな制度の違いがあった。
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Research Products
(2 results)