2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22592600
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
川島 和代 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40157855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 三恵 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (50554854)
中田 弘子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (70551167)
木森 佳子 石川県立看護大学, 看護学部, 助手 (30571476)
橋本 智江 金沢医科大学, 看護学部, 助教 (30515317)
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Keywords | 介護 / 痰の吸引 / 経管栄養 / 連携 / 教育デザイン |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者ケアの実践現場における生活関連の医療行為(口腔内吸引と経管栄養)の担い手である看護職員と介護職員のより良い連携に向けた口腔内吸引と経管栄養に関する教育内容を吟味、実施し、効果的な連携の在り方や要介護高齢者とその家族のQOLの維持・向上への寄与を明らかにすることである。 平成22年度は、介護保険制度の参考例としたドイツ連邦における老人介護士(Altenpfleger)の教育方法の実際について視察を研究者ら3名が当初の計画を前倒しして行った。ドイツにおいては、老人介護士は従来の看護教育とは異なる体系を持っているが、医療行為を行うことができるよう医学知識に関する教育を受けて、高齢者施設で与薬等の医療行為が行える看護職と同等の専門職として活動していることが明らかとなった。本邦では、平成22年4月1日付けで厚生労働省老健局高齢者支援課長から特別養護老人ホームにおいて介護職員が口腔内の痰の吸引と胃瘻からの栄養剤注入を行うことを許容することはやむを得ないとの通知が出されたが、老人保健施設やグループホーム、障害者施設等における介護職員にも同行為に関する研修の機会と実施可能とする要望が出された。そこで、平成23年度に各都道府県が責任を持って介護職員に同行為に関する研修の機会を設けるために、厚生労働省が指導者(医師・看護師)の育成を行う予定である。さらに、社会福祉士及び介護福祉士法の改正が検討されており、介護福祉士が自立して吸痰等が実施できる法整備がなされようとしている。しかし、研究者らが実施した介護職員の医療行為等の技術研修への参加者のアンケート結果から、医学知識の脆弱性に上記行為実施への逡巡と専門職としての知識不足の自覚が明らかとなった。 今後、さらに介護職の吸痰や経管栄養管理への技術獲得に向けて学習課題を明確にし、研修内容の吟味・評価することを先行させて行く予定である。
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