2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学を拠点とした「ストレスマネジメント教室」実践教育モデルの開発
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22592607
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
近澤 範子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40118055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 美和 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (70364049)
児玉 豊彦 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (10549166)
久保田 寛子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30582960)
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Keywords | ストレスマネジメント / リラクセーション法 / 実践教育モデル |
Research Abstract |
1.「ストレスマネジメント教室」の開催と参加者への調査 昨年度に開発したプログラムおよびシナリオに基づいて「ストレスマネジメント教室」を3回開催し、参加者に研究協力への同意を得て調査を行った。昨年度の調査と同様に、リラクセーション法実施前後の唾液アミラーゼ測定値の変化、POMS簡易版による主観的反応の変化、プログラム開始時と終了時におけるストレス-コーピングに関する認識の変化、プログラム評価に関する質問紙調査を行った。なお、兵庫県立大学看護学部研究倫理委員会の承認を得た上で実施した。 参加者は12名で、有効回答数は10名(男性5名、女性5名、20代2名、30代7名、40代1名)であった。リラクセーション法実施後の唾液アミラーゼ測定値に有意な変化はみられなかったが、POMSの「緊張」「抑うつ」「怒り」「疲労」「混乱」の各尺度に関してはいずれも有意に減少し(p<0.05)、効果が認められた。また、呼吸法、漸進的筋弛緩法簡易版とも、全員(100%)が生活に取り入れて実践したいと回答した。さらに、対処行動のレパートリーを意識的に増やそうとする変化が見られた。プログラムの内容・運営・実技指導等については概ね高い評価が得られた。以上の結果を踏まえて、プログラムとシナリオの精錬に向けて検討を行った。 2.教育プログラムおよび教材の作成 プログラムとシナリオに基づき、「ストレスマネジメント教室」を開催する上での部屋と物品の準備、展開場面の映像を組み込んで構成と編集を行い、教材用DVDを作成した。呼吸法と漸進的筋弛緩法の指導場面ではモデルによる実演の映像を取り入れ、指導技法のみならず技能習熟のための教材としても活用できるよう工夫した。さらに、「ストレスマネジメント教室」全体としての活用もしくは各リラクセーション法に関する部分のみの活用を選択できるよう工夫した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に即して作成した本年度の研究計画の1に関しては、定期開催には至らなかったものの開催して計画通り参加者への調査を行い、概ね高い評価を得ることができた。2に関しても、昨年度ならびに本年度の調査結果を踏まえて、プログラムおよび手引き書の試案について計画通り再検討を行った。3に関しても、博士前期課程(高度実践看護師教育課程)学生の研究協力を得て、ストレスマネジメント実践技能に関する教育訓練プログラムと統合して活用するとともに、計画通り教材用DVDの内容を検討し、構成、シナリオ作成、撮影、編集、校正、再校正、ナレーションの吹き込み、を経て完成に至った。さらに、DVDのケースに添付する解説用小冊子の内容について検討し、素案の作成、校正を経て完成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の計画に即して、これまでの研究成果を統合して概念モデルを作成するとともに、看護系大学大学院博士前期課程(精神看護専門看護師教育課程)の担当教員を対象として研究協力を依頼し、当モデルおよび成果物の有用性を検討する。さらに、全国の看護系大学の精神看護学担当教員を対象として、地域のメンタルヘルス支援活動の実践もしくは今後の計画、当モデルの活用に向けての意向について質問紙調査を行い、実態および今後の課題を検討する。以上の研究結果の分析考察ならびに3年間の研究成果をまとめて研究報告書を作成する計画である。
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Research Products
(1 results)