2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神科デイナイトケアにおける感情活用能力促進プログラムの開発と有効性の評価
Project/Area Number |
22592619
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小谷野 康子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50307120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 彩美 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 助教 (00514861)
森 真喜子 北里大学, 看護学部, 准教授 (80386789)
宮本 真巳 東京医科歯科大学, その他の研究科, 教授 (30209952)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 精神科デイナイトケア / 弁証法的行動療法 / マインドフルネス / 感情変容 / 情動コントロール / 感情調節困難 / 介入効果 / グラウンデッド・セオリー・アプローチ |
Research Abstract |
24年度最終年は、精神科デイナイトケアにおける感情コントロールを目的とした「感情活用能力」開発プログラムの中で用いた弁証法的アプローチを評価するために、介入効果を質的帰納的に分析した。当該プログラムにおけるスキルトレーニングは、Mckayらによる弁証法的行動療法の「苦悩耐性スキル」「マインドフルネス」を用いて実施した。各セッションは、週に1回、90分、10名までのオープン形式のグループで行なわれている。 1年間にわたってその期間のほぼすべてのセッションに参加していた感情調整困難の1事例に半構造化インタビューを実施し、プログラム参加後どのような変化が起こったかを中心にグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。当該患者の変化に関連するカテゴリーとして[意識化による行動の意味づけの変化] [苦悩耐性スキルに基づく感情コントロール] [理論を咀嚼して実践に結び付ける作業] [効果を実感したスキルの獲得] [具体的な実践方法への期待] [将来の目標に向けて起こした行動] の6つが抽出された。スキルトレーニングは、患者の意識に働きかけ、感情制御、思考の修正、行動の変化に貢献していた。その結果、患者は健康的で現実的な生活を模索する新たな生き方を獲得しつつあった。 本研究の結果から、弁証法的行動療法スキルトレーニングを実施するにあたり、中心となるカテゴリーで生成された【理論を咀嚼した上で実践に結びつける作業】を促進する働きかけが看護者として重要であると考えられた。弁証法的行動療法は、感情調節困難のクライエント全般に共通するスキルを扱うために看護師を含めた多職種チームで用いることができる有用な治療的介入方法である。米国における標準的な治療法を応用し、日本の実情に合わせた多職種で共有できる方法の探求も必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)