2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃瘻からの半固形経管栄養法の安全で簡便な看護技術の開発
Project/Area Number |
22592622
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小長谷 百絵 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10269293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 志麻 東京女子医科大学, 看護学部, 助教 (40439831)
林 みつる 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20300402)
水野 敏子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10153305)
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Keywords | 半固形栄養剤注入補助装置 / 半固形短時間摂取法 / 特則着講老人ホーム / 医療ニーズ / 胃瘻 / 前腕筋の負担 / ユニバーサルデザイン / 半固形栄養剤注入圧測定 |
Research Abstract |
本研究の2010年度における主な課題は、(1)胃瘻からの経管栄養法における安全で簡便な半固形栄養剤注入用補助装置の開発と、(2)半固形栄養用法の注入時の困難点や導入後のトラブルを半構成的なインタビューによって明らかにし、全国の訪問看護ステーションと介護老人保健施設における半固形短時間摂取法の使用実態の全国調査にむけての調査項目の精選と郵送調査の準備を行うことであった。 本研究では2009年度に胃瘻からの半固形栄養剤を注入するときのチューブ内の圧力を測定できる胃瘻モデルを作成した。2010年度はそのモデルを使用して半固形栄養剤の注入時の労力を減らすための、利用者にとって適切な圧力で半固形栄養剤を少しの力で注入する半固形栄養剤注入用補助装置(パッくん)を考案した。その装置の使用可能性と安全性を段階的に検証する研究を行い、それらは人間工学学会などで発表をしてきた。次に開発した半固形栄養剤注入用補助装置(パッくん)の(1)注入時の対象者への安全性、(2)使用者が少ない労力で効率よく使えること、(3)柔軟な使い勝手、(4)ベッド回りで使用でき目立たないこと、(5)使い方が容易にわかること、(6)使い方を間違えても重大な結果にならないこと(fail safe)、(7)環境に負担をかけないことなどユニバーサルなデザインであるかを特別養護老人ホームの職員を対象にパッくんを使用しての注入実験を実施した。その結果安全性や効率性などは確保できたが、柔軟な使い勝手などの点で改良の余地が残された。 さらに、胃瘻からの半固形経管栄養剤の注入を実際に行っている特養の看護師を対象に注入時の思いや困難感、トラブルなどを半構成的面接法によってインタビューを行い質的に分析した。その結果、看護師は注入時の労作の大きさによる身体的な負担を自覚しながらも、手に伝わる力や、表情などから敏感に感じ取り、利用者の体調や予後などのバロメーターとしてとらえていることが分かった。
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