2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規疼痛関連リン酸化酵素情報伝達マップ:リン酸化プロテオミクスによる痛み表情解析
Project/Area Number |
22600001
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
栗原 崇 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60282745)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 痛み / 脊髄 / 後根神経節 / ホールセルパッチクランプ記録 / カゼインキナーゼ1 / CK1阻害薬 |
Research Abstract |
我々の研究グループは、マウスの末梢神経障害性疼痛モデルおよび炎症性疼痛モデルを用い、市販のCK1δ/ε選択的阻害薬IC261の髄腔内投与が、両疼痛モデルマウスにおいて観察される機械的アロディニア現象および熱性痛覚過敏現象を抑制することを見出し、CK1δ/εは神経障害性疼痛および炎症性疼痛両者における新規薬物治療ターゲットになりうることを示唆した。しかし、IC261を用いたその後の検討では、CK1阻害とは無関係と考えられる細胞毒性の存在が示唆され、医薬品開発の障害となることが予想された。そこで臨床応用可能な新規CK1阻害薬のスクリーニングを試みたところ、in vitroで有効な候補化合物を複数種見出すことに成功した。本年度は、候補化合物の1つTG003のマウス炎症性疼痛モデルに対する効果を検討し、以下の結果を得た。1)TG003は各種CK1アイソフォームに対してほぼ同等の阻害活性を持つCK1阻害薬であった。2)急性および遷延性炎症性疼痛モデル(それぞれカラゲニンおよびCFAモデル)マウス両者における機械的アロディニア現象および熱性痛覚過敏現象に対する抗侵害効果を検討すると、TG003はIC261と比較して用量比(髄腔内投与による)で10倍以上強力な効果を示した。3)両モデルマウスより脊髄横断スライスを作製し、膠様質ニューロンから記録される自発性興奮性シナプス後電流(sEPSC)に対する効果を検討すると、TG003はIC261同様、sEPSCの平均発生頻度を有意に低下させたが、平均振幅には影響を与えなかった。しかし、その頻度抑制効果は、IC261に比べ有意に強力であった。以上の結果から、TG003はCK1を標的にした新規鎮痛薬開発のリード化合物として有望であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Regulatory mechanism of PAC1 gene expression via Sp1 by nerve growth factor in PC12 cells.2012
Author(s)
Miura, A., Odahara, N., Tominaga, A., Inoue, K., Kambe, Y., Kurihara, T. & Miyata, A.
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Journal Title
FEBS Lett.
Volume: 586
Pages: 1731-1735
DOI
Peer Reviewed
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