2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における新規Kチャネルと交感神経の役割に関する研究
Project/Area Number |
22600013
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
山本 悟史 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (60220464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康一 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (30274848)
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Keywords | 神経因性疼痛 / 脊髄後根神経 / Kチャネル / 熱 / 交感神経 / アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
目的:神経因性疼痛の発生機序に交感神経の関与が指摘されている.即ち,「末梢神経傷害が交感神経節後細胞の発芽を誘起し,その軸索が脊髄後根神経節神経細胞(DRG神経細胞)に到達している」という事実が報告されている.本研究では,「交感神経終末から放出されたノルアドレナリン(NA)がDRG神経細胞に作用することで神経因性疼痛が発生する」と仮説を立て,神経因性疼痛の発生に関与している可能性がある「熱感受性の新規Kチャネル(Kheatチャネル)」に対してNAがどのように作用しているのか,について検証する。本年度は,「NAの作用によってDRG神経細胞の興奮性が,特に神経因性疼痛モデルにおいて増加する」ということを立証する実験を検討する.即ち,「NAによるKheatチャネルの抑制が神経因性疼痛モデルで顕著である」ということを証明する. 方法:Kheatチャネルを発現している小型のDRG神経細胞を単離・培養し,単一のDRG神経細胞における「Kheatチャネルが活性化して発生する膜電流(IKheat)」について,パッチクランプ法を用いて電気生理学的に測定し,これに対するNAの作用を調べた, 結果:1)対照動物のDRG神経細胞において,NA(10μM)はIKheatを約30%抑制することが分かった.2)NAによるIKheat抑制の機序について,各種agonists及びantagonistsを用いて薬理学的に詳しく調べたところ,α-1アドレナリン受容体及びβアドレナリン受容体を介して,それぞれPKC及びPKAの活性化を経由して,NAがIKheatを抑制していることを明らかにした.3)現在,神経因性疼痛モデルにおけるNAによるIKheat抑制について検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱刺激によって発生する電流(IKheat)に対するノルアドレナリン(NA)の作用を,コントロール動物と神経因性疼痛モデル動物の両方で調べている.コントロール動物において,NAがIKheatを抑制する作用があることが分かったため,その機序を詳細に調べ,関与している受容体のサブタイプや蛋白キナーゼについて,順調に明らかにしている.現在,神経因性疼痛モデルについて検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中である「神経因性疼痛モデルにおけるIKheatに対するNAの作用」を引き続き検討する.
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