2010 Fiscal Year Annual Research Report
中性子共鳴反応による偏極希ガスの中性子偏極能力検証と応用
Project/Area Number |
22604005
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
酒井 健二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (40272661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 元貴 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (90446401)
篠原 武尚 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (90425629)
奥 隆之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (10301748)
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Keywords | オンビームSEOP / スピン相関項 / 中性子偏極能力 / Xeガス偏極 / 中性子共鳴ピーク / 核磁気共鳴法 / 中性子光学 / J-PARC |
Research Abstract |
近年、光ポンピング法(SEOP)による希ガス偏極技術の発達により、偏極Xeガスや固体が生成可能になり、基礎物理から医療まで幅広く応用されるようになった。本研究では、中性子・原子核共鳴反応の持つスピン選択性に着目し、偏極Xeの中性子偏極能力を検証し、中性子を用いた偏極挙動の検知と新たな応用を模索する。平成22年度は、下記(1)~(5)を主に実施した。 (1)中性子光学に基づき、中性子スピンsと核スピンIの相関項s-Iに起因する各測定量(断面積スピン依存性Δσ_I,、スピン回転角ω_I)を算出した。特に各測定量の共鳴ピークでの増大や他の相関項への干渉を評価することで、中性子光学的描像の実証に対して、冷~熱外中性子領域に渡るΔσ_I,やω_I測定の重要性や低磁場で高偏極可能なXeガス標的の優位性を示した。また(2)J-PARCの中性子ビームラインBL10にガス厚5~10atm-cmのXeを封入したガラスセルを設置し、^<119,131>Xeの中性子共鳴ピークを実測して中性子偏極能力測定に最適なガス厚を評価した。以上より、(3)偏極^<129>Xeの共鳴ピークE_s=9.6eVで中性子透過率変化ΔT_nを測定する実験を詳細検討し、濃縮^<129>Xeガス厚~10atm-cm、偏極率P_<Xe>=10~20%というセル条件で、ΔT_n=0.3~1.2%という測定目標値を算出した。一方、(4)^3He(偏極較正用)とXeセルで共用可能な核磁気共鳴(NMR)装置を備えたオンビームSEOPシステムを開発し、BL10に設置して、^3He とXeの偏極生成、ビーム照射、NMR測定という一連の実験手順を踏んで、測定環境・条件・時間などの評価を実施した。並行して、(5)濃縮^<129>Xeガス用セルブランチや偏極度向上のためのSEOP光学系の設計・構築を進めた。
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Research Products
(1 results)